フロントミッドにリアマルチリンクサスペンションで「4WS感覚のハンドリング」|1986年式 マツダ サバンナRX-7 GTリミテッド【2】

前期はステッカーとなる

【1】から続く

【孤高のロータリーエンジン 1986年式 マツダ サバンナRX-7 GTリミテッド vol.2】

 「ドライバーとクルマと路面が高い次元で一体になれるハンドリング」を実現するために開発されたのが、トーコントロールハブ付きのリアマルチリンクサスペンションだ。

 これは、クイックな操縦性を優先させたい領域ではリアタイヤを積極的にトーアウトさせ、安定性が求められる高速域ではトーインさせるという機構。これにより、シャープなハンドリングと高速での安定したコーナリング、いわば「4WS感覚のハンドリング」を手に入れた。

 ただしこれは、エンジンをフロントミッドシップに搭載して実現した、50.5対49.5という前後重量配分が大きく貢献していることは言うまでもない。加えて、国産車初の対向4ピストンアルミキャリパーやレーシングカー並みのクイックレシオ・ステアリングなどを採用し、走る、曲がる、止まるといったクルマの基本性能を高い次元で融合させたのである。

【画像18枚】リアマルチリンクサスペンションを搭載することにより、シャープなハンドリングと高速での安定したコーナリングが実現されている


>>ツインスクロールターボをはじめとするさまざまな新技術を取り入れ、モーターのようなスムーズさと、圧倒的なパワフルさを両立した13B型。タワーバーはアンフィニ用を流用している。


>>サスペンション上部にあるのが、A.A.S.の作動ユニット。現在も正常に作動するそうだ。


>>ボンネット上のエアスクープから入った走行風は、このダクトから導かれてインタークーラーを冷やす。


1986年式 サバンナRX-7 GTリミテッド(FC3S)


全長×全幅×全高 4310×1690×1270mm
ホイールベース 2430mm
トレッド前/後 1450/1440mm
車両重量 1280kg
エンジン型式 13B型
エンジン種類 2ローター・ロータリーターボ
総排気量 654×2cc
圧縮比8.5:1
最高出力 185/6500ps/RPM
最大トルク 25.0/3500kg-m/rpm
燃料タンク 63L
変速比 1速3.483/2速2.015/3速1.391/
4速1.000/5速0.806/後退3.288
最終減速比 4.100
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/マルチリンク
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 205/60R15(前後とも)
発売当時価格 303.8万円



【3】へ続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年11月号 Vol.38
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

マツダ サバンナRX-7 GTリミテッド(全3記事)

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text:Rino Creative/リノクリエイティブ photo:Motosuke Fujii(Salute)/藤井元輔(サルーテ) cooperation MAZDA/マツダ

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