ポルシェにも匹敵するパフォーマンスを秘めた本格スポーツカー|1986年式 マツダ サバンナRX-7 GTリミテッド【1】

黒いモールも前期のみだが、ウインカーも後期用とはサイズが違う

       
【孤高のロータリーエンジン 1986年式 マツダ サバンナRX-7 GTリミテッド vol.1】

 クルマ社会に逆風が吹くなか誕生した初代SA22Cは、オンリーワンのロータリースポーツとして世界中で確固たる地位を築いた。そして1985年9月のモデルチェンジでFC3Sがデビューし、従来の軽量コンパクトというイメージから一転、走りと快適性を高次元でバランスさせた本格スポーツカーへと成長した。

 重厚感が増したボディは、空気の流れをスムーズにするためのフラッシュサーフェイス化と、ワイドなタイヤを覆うブリスターフェンダーが特徴的。そのスタイリングがポルシェ944に似ていることから「プアマンズ・ポルシェ」などと揶揄されることもあったが、秘めたパフォーマンスはそのポルシェに匹敵するものだった。

 それを実現するための核となったのが、エンジンとサスペンションだ。エンジンは、12A型よりも排気量の大きい13B型にターボをドッキング。タービンは低回転域と高回転域でタービンのA/R比を変化させ、全域でつねに高効率の過給特性を発揮させるツインスクロールターボが採用された。さらに、ロータリーのコンパクトさを生かして空冷式のダイレクトタイプ・インタークーラーをエンジン上に設置。

 こうすることで、タービンから吸気ポートまでの配管を短くすることができ、レスポンスアップが可能となった。また、排気系にデュアルエキゾーストシステムを用いたことで排圧が大幅に下がり、パワーアップも実現したのである。

【画像18枚】「プアマンズ・ポルシェ」などと揶揄されることもあったが、本家ポルシェに匹敵するほどのパフォーマンスを秘めていた


>>1985年9月のモデルチェンジでFC3Sがデビューし、従来の軽量コンパクトというイメージから一転、走りと快適性を高次元でバランスさせた本格スポーツカーへと成長した。


>>アウタースライディングサンルーフはGTリミテッドのみに装備。開閉およびチルトアップは、天井のスイッチで行う。


>>取材車両はマフラーも純正。排圧を効果的に下げてパワーを確保しつつ、スポーツカーらしいサウンドを奏でるデュアルエグゾーストユニットを採用する。


1986年式 サバンナRX-7 GTリミテッド(FC3S)

全長×全幅×全高 4310×1690×1270mm
ホイールベース 2430mm
トレッド前/後 1450/1440mm
車両重量 1280kg
エンジン型式 13B型
エンジン種類 2ローター・ロータリーターボ
総排気量 654×2cc
圧縮比8.5:1
最高出力 185/6500ps/RPM
最大トルク 25.0/3500kg-m/rpm
燃料タンク 63L
変速比 1速3.483/2速2.015/3速1.391/
4速1.000/5速0.806/後退3.288
最終減速比 4.100
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/マルチリンク
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 205/60R15(前後とも)
発売当時価格 303.8万円



【2】へ続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年11月号 Vol.38
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

マツダ サバンナRX-7 GTリミテッド(全3記事)

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text:Rino Creative/リノクリエイティブ photo:Motosuke Fujii(Salute)/藤井元輔(サルーテ) cooperation MAZDA/マツダ

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