マツダ・ペルソナから乗り替え、デビューしてすぐに新車で購入したワンオーナー車|1990年式 ユーノスコスモ 20B タイプE CCS【3】

4代目は原点回帰、「初代コスモスポーツの復活」をテーマに開発が進められた

       
【孤高のロータリーエンジン 1990年式 マツダ ユーノスコスモ 20B タイプE CCS vol.3】

ユーノスコスモが登場したのはバブル景気絶頂期。高級志向が頂点に達していた頃で、高性能エンジンや豪華かつ先進的な内装と装備の数々は、まさにバブルの申し子とも言える内容だった。

全長4.8mにも達する大柄なボディで、国内には直接ライバルとなるモデルは存在しなかったが、商業的に成功したとは言えないかもしれない。だが、コスモらしさを取り戻し、20B型エンジンがこのモデルにしか搭載されていないことがユーノスコスモの価値を高め、唯一無二の存在としてマツダとロータリーの歴史にその名を刻んだ。

この個体のオーナーは、御年85歳(取材当時)。ユーノスコスモがデビューしてすぐに新車で購入して以来26年、苦楽をともにしてきた。

「3ローターは、吹け上がりがスムーズで素晴らしい。出足は抜群だよ」と言うオーナー。取材時の移動では、80歳過ぎのご老人とは思えないアグレッシブな加速が印象的だったが、本人はそれほど踏み込んでいる意識はないという。

これも3ローターターボが成せるワザで、ポテンシャルの一端を垣間見た。最後にオーナーは、現役生活をずっとこのクルマとともに歩むことを誓った。

【画像21枚】唯一無二の存在としてマツダとロータリーの歴史にその名を刻んだユーノスコスモ。3ローターターボの吹け上がりもすばらしい。


>>ユーノスコスモに搭載されるエンジンは、2ローターの13B-REW型と3ローターの20B-REW型の2つ。前者は最高出力230ps/最大トルク30.0kg-m。


>>ストレートゲートの4速AT。その後ろにはパワーシートの操作スイッチが備わる。


>>後席は完全セパレートで乗車定員は4名。室内と一体となったシート形状も特徴的だ。


オーナーズボイス/生涯の愛車はいまでも所有する2台のマツダ車だけ

オーナーは、仕事柄クルマに乗ることを控えてきた。そのため、免許を取得したのも50代も後半になってからだそうだ。そして初めての愛車はマツダ・ペルソナ。「ショールームで見たとき、ボディが宝石のようにキラキラ輝いていてね。それだけで気に入ったよ」と当時を振り返る。そして2台目がこのユーノスコスモだ。愛車を手にしてからは、それまでの遅れを取り戻すかのように、青森や京都にクルマで出かけている。



ユーノスコスモ 20B タイプE CCS(JCESE)

全長×全幅×全高 4815×1795×1305mm
ホイールベース 2750mm
トレッド前/後 1520/1510mm
車両重量 1640kg
エンジン型式 20B-REW型
エンジン種類 3ローター・ロータリーツインターボ
総排気量 654×3cc
圧縮比 9.0:1
最高出力 280/6500ps/rpm
最大トルク41.0/ 3000kg-m/rpm
燃料タンク85L
変速比 1速2.784/2速1.544/3速1.000/4速0.694/後退2.275
最終減速比 3.909
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン/マルチリンク
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 215/60R15(前後とも)
発売当時価格 530.0万円



【1】【2】から続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年11月号 Vol.38
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1990年式 マツダ ユーノスコスモ 20B タイプE CCS(全3記事)

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text:Rino Creative/リノクリエイティブ photo:Satoshi Kamimura/神村 聖

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