「すべての技術は感性のために」乗りての感性を動かし、時代をリードしたクルマ|1990年式 ユーノスコスモ 20B タイプE CCS【2】

後席は完全セパレートで乗車定員は4名。室内と一体となったシート形状も特徴的だ

       
【孤高のロータリーエンジン 1990年式 マツダ ユーノスコスモ 20B タイプE CCS vol.2】

目玉はなんと言っても3ローターの20B型エンジンだ。メカニズムの詳細は割愛するが、簡単に言ってしまえば20B型は13B型をベースに、ローターとハウジングを1組付け加えたもので、排気量も654cc×3となる。

ここに2つのターボチャージャーを組み込むことで、最高出力は自主規制いっぱいの280psを達成しているが、そのポテンシャルは300psを優に超えるとも言われている。レシプロエンジンならV型12気筒並みというトルク変動の少ない滑らかな特性と合わせて、フラッグシップ・スペシャリティーカーにふさわしいパワーユニットは、まさにマツダの夢と情熱の結晶だった。

そして、真のスペシャリティーカーに仕立てるために、数々の技術が結集された。キーワードは「すべての技術は感性のために」。3ローター・ロータリーのフィーリングも、世界初のGPS搭載ナビも、本杢や牛革を使った内装の仕立ても、乗り手の感性を動かすクルマを作るために技術を使い、時代をリードすることを目的としていた。



【画像21枚】時代をリードする真のスペシャリティーカーに仕上げるため、数々の技術が結集された。


>>ルーフ後端に装着されているのがGPSの受信アンテナ。当初、CCS(力一・コミュ二ケーション・システム)は20B型搭載車にしか設定されていなかったが、94年からは13B型にも設定された。


>>もちろん20B型エンジン搭載車専用アイテムとなる「3 ROTOR RE」のエンブレム。これはボディ左サイドのフロントフェンダーに装着される。


>>ロータリーエンジンのローターの中に配されるユーノスエンブレムは、十二単の襟をモチーフにしている。



ユーノスコスモ 20B タイプE CCS(JCESE)

全長×全幅×全高 4815×1795×1305mm
ホイールベース 2750mm
トレッド前/後 1520/1510mm
車両重量 1640kg
エンジン型式 20B-REW型
エンジン種類 3ローター・ロータリーツインターボ
総排気量 654×3cc
圧縮比 9.0:1
最高出力 280/6500ps/rpm
最大トルク41.0/ 3000kg-m/rpm
燃料タンク85L
変速比 1速2.784/2速1.544/3速1.000/
4速0.694/後退2.275
最終減速比 3.909
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン/マルチリンク
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 215/60R15(前後とも)
発売当時価格 530.0万円



【3】へ続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年11月号 Vol.38
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1990年式 マツダ ユーノスコスモ 20B タイプE CCS(全3記事)

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text:Rino Creative/リノクリエイティブ photo:Satoshi Kamimura/神村 聖

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