旧車カスタムは「とても辛くて、とても幸せな趣味」【4】1960年式 カローラ 4ドア デラックス

濃いめの黄色、ロー&ワイド、バンパーレス。クルマなりのカスタムをモットーとするオーナー流のクラシカルスポーツルック。シンプルだが、注がれた時間と苦労ははかり知れない

       
旧車が好きでも、あこがれの旧車を手に入れるのはハードルが高い。この初代カローラのオーナーも、当初は2代目、欲をいえばレビンが希望だった。
だが、今のカローラへの思いは、レビンをはるかに超えている。今回は、国民的大衆車をベースに自分スタイルを追うカローラを紹介する。

【類は友を呼ぶ 1960年式 カローラ 4ドア デラックス Vol.4】

【3】から続く

「ふとバンパーを外したら、この黄色がさらに引き立つことを発見したんです。デザインが素朴でノスタルジックなほど、この黄色は似合う」と自信たっぷりだ。さらに、真骨頂となるペイントカスタムは、エンジンルームの隅々にまでおよんでいる。

 スタイリングの要となる車高は、「低ければ低いほどこのクルマは魅力的に見える」というのがオーナーのポリシーで、足まわりはフロントもリアも自作加工で徹底的にローダウンされている。フェンダーのワイド化も、車高をより低く見せるための工夫だ。

 エンジンは、3K型の個性を生かし、回して楽しむ方向性。ハイカムを入れ、キャブレターをウエーバー40DCOEに交換。一段と気持ちよく回るエンジンに仕上げている。

「まだ見た目が中心で、エンジンもペイントで見た目は派手だけど、中身はまだまだ。ボチボチやっていきますよ」とオーナー。
 半年がかりで仕上げたレストアと全塗装。そんな中、エンジンだけはまだまだ不満足。夢は5K型の搭載で、速さでも27レビンに追いつくこと。オーナーの苦しくも楽しい旧車カスタムは、これからも果てしなく続く。

>> 【画像26枚】クラシカルなマルチピースデザインをセレクトしてホイールなど。メーカーは不明だが、お気に入りだ。ディスクはオレンジでペイント。サイズはフロント13×7J、リア13×8J




>> フロントサスは、純正ストラットをベースにショックを入れ替えて車高調化した完全オリジナル。バネのIDは65、ハイトは200mm、レートは8kg/mm。究極のローダウンを目指し、スタビライザーはキャンセル。





>> リアサスは純正リーフスプリングの逆付け。さらに10mmブロックプラスして限界までローダウン。ストロークは、ほぼないような状態だ。


OWNER’s VOICE


旧車カスタムを「とても辛くて、とても幸せな趣味」と評するオーナー。本業を生かしたボディメイクは一段落、今後はパワー系に挑む。夢は5K型への換装で、それに必要な5速ミッションはすでに入手済みだ。奥さまは旧車に興味なしで、助手席は愛娘の指定席になっている。



オーナーはKP保存会のメンバー。ただ自車はKEなので、ロゴステッカーの文字を修正して貼っている。現在、KEメンバーを大募集中だ。


1960年式 カローラ 4ドア デラックス(KE11)

SPECIFICATIONS 諸元
エクステリア:ボディフルレストア、前後バンパーレス、オーバーフェンダー仕様、510ブルーバード用フェンダーミラー 
エンジン:3K型、加工カム、強化バルブ 
︎吸排気系:ウエーバー40DCOE(イタリー製)、ワンオフマフラー 
︎点火系:フルトラ仕様、永井電子機器ウルトラプラグコード 
駆動系:純正加工軽量フライホイール 
サスペンション:(F)純正加工車高調(バネレート8kg / mm)ピロアッパーマウント自作 (R)純正加工 
タイヤ:グッドイヤー (F)155 / 60R13(R)165 / 60R13 
ホイール:Migu(F)13×7J (R)13×8J 
インテリア:ナルディ製φ320mmステアリング、追加タコメーター


初出:ノスタルジックスピード vol.022 2019年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1960年式 カローラ 4ドア デラックス(全4記事)

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【1】【2】【3】から続く

text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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