「ふとバンパーを外したら、この黄色がさらに引き立つことを発見したんです」【3】1960年式 カローラ 4ドア デラックス

エンジンルーム内のペイントテーマは「寸止め」。カラフルに見せつつも、ヤリすぎには見えないように神経を使っている

       
旧車が好きでも、あこがれの旧車を手に入れるのはハードルが高い。この初代カローラのオーナーも、当初は2代目、欲をいえばレビンが希望だった。
だが、今のカローラへの思いは、レビンをはるかに超えている。今回は、国民的大衆車をベースに自分スタイルを追うカローラを紹介する。

【類は友を呼ぶ 1960年式 カローラ 4ドア デラックス Vol.3】

【2】から続く

 今回紹介する初代カローラを手に入れたのは3年前。当初は2代目で、あこがれのレビン仕様を楽しむことを計画していたが、理想的なベース車両がなかなか見つからず断念した。そのうち、オークションで偶然に出合ったこの初代モデルに不思議な縁を感じ、購入を決めた。大きすぎず、小さすぎないサイズ感も、自分の理想にピッタリだった。新しい相棒をベースに、3度目の泥沼の旧車カスタムを開始した。

 ビートルの時も、アルトの時もそうだったように、オーナーの旧車カスタムは、クルマなりのモディファイを重視していて、自分好みをクルマに押し付けないのがモットーだ。スタイリングも、エンジンのフィーイングも、どんな仕様がこのクルマにとってベストかを考え抜くのがオーナー流だ。

 例えば、オールペイントで採用したイエローのボディカラーは、塗装のエキスパートでもあるオーナーが「初代カローラに最も似合う色」として調色したものだ。人目を引く華やかな黄色だが、あえて明るい色調にせず黒を多めに加えて濁らせることで、カローラのクラシカルなフォルムにマッチングさせている。バンパーのレス化は、クラシカルテイストをより強調するためのカスタムだそうだ。

「ふとバンパーを外したら、この黄色がさらに引き立つことを発見したんです。デザインが素朴でノスタルジックなほど、この黄色は似合う」と自信たっぷりだ。

>> 【画像26枚】すべてのパーツをいったん取り外して丹念にレストアされている白だったボディなど。エンジンルームも、もちろん同色でオールペイント



>> ファンネルもオレンジでペイント。力なく見える、下向き気味なキャブレターの角度をなんとかする方法を検討中。NASAが開発したセラミック遮熱塗料で塗り上げたエキマニ。他のペイントへの熱害を抑えている。





>> 気持ちよく吹け上がる3K型エンジン。ハイカムとフライホイールの軽量化により、レスポンスがさらに高められている。


1960年式 カローラ 4ドア デラックス(KE11)

SPECIFICATIONS 諸元
エクステリア:ボディフルレストア、前後バンパーレス、オーバーフェンダー仕様、510ブルーバード用フェンダーミラー 
エンジン:3K型、加工カム、強化バルブ 
︎吸排気系:ウエーバー40DCOE(イタリー製)、ワンオフマフラー 
︎点火系:フルトラ仕様、永井電子機器ウルトラプラグコード 
駆動系:純正加工軽量フライホイール 
サスペンション:(F)純正加工車高調(バネレート8kg / mm)ピロアッパーマウント自作 (R)純正加工 
タイヤ:グッドイヤー (F)155 / 60R13(R)165 / 60R13 
ホイール:Migu(F)13×7J (R)13×8J 
インテリア:ナルディ製φ320mmステアリング、追加タコメーター

【4】に続く

初出:ノスタルジックスピード vol.022 2019年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1960年式 カローラ 4ドア デラックス(全4記事)

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【1】【2】から続く

text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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