「毎回、出来上がった物に感動させられて、そのうれしさで辛さを忘れて、そしてまた作り始める感じです」【2】1960年式 カローラ 4ドア デラックス

バンパーレススタイルが、磨き込まれたメッキのグリルやライトベゼルをより美しく見せる。カローラの語源でもある「花冠」モチーフのエンブレムが懐かしい

       
旧車が好きでも、あこがれの旧車を手に入れるのはハードルが高い。この初代カローラのオーナーも、当初は2代目、欲をいえばレビンが希望だった。
だが、今のカローラへの思いは、レビンをはるかに超えている。今回は、国民的大衆車をベースに自分スタイルを追うカローラを紹介する。

【類は友を呼ぶ 1960年式 カローラ 4ドア デラックス Vol.2】

【1】から続く

「毎回、出来上がった物に感動させられて、そのうれしさで辛さを忘れて、そしてまた作り始める感じです」

 クルマをカスタムする作業は、面白そうに見えて、決して楽しいことばかりではない。こだわればこだわるほど辛さが増す。打たれ強くないと絶対に続かない作業。そして、この9対1の苦楽の割合は、旧車を走らせる喜びに似ているともいう。

「古いクルマは思うように走らず、大変な思いをたくさんさせられる。けど、今のクルマでは絶対に味わえない面白さが味わえることも確かです。そして、この面白さに一度ハマったら最後、旧車のチューニングやカスタムから、なかなか抜け出せなくなるんですよ」

 そう話すオーナーは、実際に旧車カスタムの世界から抜けられなくなったひとりだ。初めて手に入れた旧車は1968年式のフォルクスワーゲン・タイプ1(ビートル)。その後、現行モデルに乗り換えるも、8年前に初代のアルトを手に入れ、旧車カスタムの世界に舞い戻った。

>> 【画像26枚】510ブルーバードの純正のフェンダーミラーなど。クラシカルなスポーツにはこれが一番と採用した



>> インテリアは純正テイストをキープ。自慢のペイント技もここでは封印し、オリジナルの配色を重視した。ハンドルのみナルディに交換。





>> ブルーに塗られたド派手な燃料タンク。実は、オーナーの大好きな色なのだが、初代カローラには似合わないと感じた。で、塗れないストレスがこんなところで大爆発!?

1960年式 カローラ 4ドア デラックス(KE11)

SPECIFICATIONS 諸元
エクステリア:ボディフルレストア、前後バンパーレス、オーバーフェンダー仕様、510ブルーバード用フェンダーミラー 
エンジン:3K型、加工カム、強化バルブ 
︎吸排気系:ウエーバー40DCOE(イタリー製)、ワンオフマフラー 
︎点火系:フルトラ仕様、永井電子機器ウルトラプラグコード 
駆動系:純正加工軽量フライホイール 
サスペンション:(F)純正加工車高調(バネレート8kg / mm)ピロアッパーマウント自作 (R)純正加工 
タイヤ:グッドイヤー (F)155 / 60R13(R)165 / 60R13 
ホイール:Migu(F)13×7J (R)13×8J 
インテリア:ナルディ製φ320mmステアリング、追加タコメーター

【3】に続く

初出:ノスタルジックスピード vol.022 2019年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1960年式 カローラ 4ドア デラックス(全4記事)

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【1】から続く

text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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