ディーゼルのカロバンをベースに、スイスポのM16A型スワップ！【1】1987年式 トヨタ カローラ バン ディーゼル 1800 DX

まさに意表を突く、時代を先取りしたスワップ車とはこのクルマのこと！　カローラバンに4A-G型や3S-G型を積み込むならともかく、スイフトスポーツのM16A型ユニットを移植するなんて、前代未聞である。これを手がけたのはスワップチューンの匠、「ダディモーターワークス」。聞けば、将来を見すえての選択という。その異端ともいえるメーキングをじっくりご覧いただこう。

【1987年式 トヨタ カローラ バン ディーゼル 1800 DX　Vol.1】

　最近は、ストリートでもめっきり見かける機会が減ってきたが、カローラバンは街中にあふれる商用バンの代表格だった。荷物をたくさん詰め込めるし、とにかくリーズナブル。趣味性の高いクルマではないが、サニトラと同じようにコアなファンが確かに存在した。スイフトスポーツ用のM16A型ユニットを搭載したこのカロバンオーナーもそんなひとりだ。

「若い頃、10年ほどサニトラに乗っていました。自分でA14型改15ユニットに載せ替えたりして楽しんでいましたが、エンジン火災を起こしかけて心が折れました。それからずっと大人しくしていたのですが、ひさしぶりに何か1台作りたいなと思い立ったんです。直線的なデザインとバンボディが好きだったので、そこで浮上したのがカローラバンだったんです」

　4A-G型か3S-G型に載せ替えて、ドリフトもできたらと考えたオーナー。それまで乗っていた光岡自動車のビュートが、ちょうど車検切れのタイミングであったことも乗り換えを後押しすることに。近所だったこともあり、エンジンスワップで有名な「ダディモーターワークス」を訪れるまで、さほど時間は要さなかった。

>> 【画像33枚】各気筒の負圧を集めるに追加されたコレクタータンクなど。アイドリングやブレーキマスターバックの効きを安定させている。また、燃料ポンプや燃圧レギュレーターは、高回転、高負荷でも安定したガソリン供給を実現するサード製を採用



>> プラグカバーはワンオフ。






>> AE111純正4連スロットルは、ワンオフのアダプターを介して装着する。ファンネル仕様とすることで、やる気にさせる吸気音を奏でる。もちろん、キャブ仕様ほどにシビアなアクセルワークが求められないのもメリットの1つ。






>> 美しいアーチを描くエキマニは、ダディモーターワークスのワンオフ。見た目重視で少し太めというφ42.7㎜の4-1集合タイプで、いい具合に焼けている。

1987年式 トヨタ カローラ バン ディーゼル 1800 DX(CE71V)

SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:未レストア(純正色)、ストラットブレース&タワーバー、ヒッチメンバー
■エンジン:M16A型(ノーマルスペック)
■吸気系:AE111用4連スロットル
■制御系:LINK製G4+ Monsoon
■排気系:ダディモーターワークス製ワンオフタコ足(φ42.7㎜)&マフラー
■冷却系:トラスト製AE86用ラジエーター、ダディモーターワークス製アルミリザーバー&ウオッシャータンク
■燃料系:サード製燃料ポンプ
■駆動系:OS技研製ストリートマスター、JB23ジムニー用ミッション、AE86用ホーシング、TRD製4ピニLSD(ファイナル4.3)
■ステアリング系:AE86用ラックアンドピニオン&電動パワステ
■ブレーキ:AE86用ディスクブレーキ (F)AE86用ローター　(R)S13用ローター、K11マーチ用ブレーキマスターバック、C35ローレル用シリンダー、ウイルウッド製プロポーショニングバルブ
■サスペンション:(F)ブリッツ製AE86用車高調(バネレート4㎏/㎜)、ロワアーム延長(2.5㎝) (R)ノーマルリーフ+2インチブロック、コントロールアーム
■タイヤ:ダンロップ (F)165/60R14 (R)185/55R14
■ホイール:SSRフォーミュラーメッシュ
(F)14×6.5J +5 (R)14×7.5J ±0
■インテリア:バイク用マルチメーター、MOMO製プロトティーポステアリング、PLX製A/Fメーター、スイフト用シート/クーラー、フットレスト(助手席)


【2】に続く

初出：ノスタルジックスピード vol.021　2019年8月号
（記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです）

1987年式 トヨタ カローラ バン ディーゼル 1800 DX（全3記事）

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