ボディも、積み替えた黒ヘッドの状態も「とにかくベースが良かった」【3】1985年式 トヨタ スプリンター トレノ

パワーユニットはプロショップナカガワが手がけた20バルブの4A-GE型改。9000rpm設定のレブリミットまで一気に吹け上がり、トルク感はノーマル16バルブの比ではない

       
免許を取ってすぐに買ったあこがれのハチロクを、1カ月で全損。それから2年、オーナーは再びハチロクを手に入れた。新しい相棒は、20バルブの4A-G型を搭載し、MoTeCで制御する快速チューンド。顔はレビン、テールはトレノという、スタイルにもぞっこん。今回は、21歳の青年に「一生手放さない」と断言された幸せなハチロクを紹介する。

【1985年式 トヨタ スプリンター トレノ Vol.3】

【2】から続く

以前、チューニングを手がけたプロショップ ナカガワの代表、中川英明さんは、ハチロクの状態をこう話す。

「とにかくベースが良かったんよ。ボディも、積み替えた黒ヘッドの状態も。エンジンは、排気量はそのまま264度のカムを入れて、VVTiのキャンセルをやった程度。純正の4スロのまま、点火をダイレクトイグニッションに変えて、MoTeCでキッチリセッティングしてパワーを出している感じ。エンジンに負担をかけることは何もしていないので、長く乗りたいと話すオーナーにはピッタリの仕様と違うかな」

 ちなみに、エンジンをスワップした当初にセッティングを取ったECUは、前オーナーが使用していた国産4気筒用のフルコンだったらしく、満足のいくセットアップができなかったのはもちろん、走行中にインジェクター信号がバカになったりととにかく不安定だった。結局、最新のMoTeC M84で制御を行うことにしたらしい。

>> 【画像29枚】1台目に履いていたホイールであるロンシャンXR-4など。バラして磨き上げた大好きなデザインだ。サイズはフロントが14×7.5J、リアが14×8.0J




>> 4連スロットルはA111の純正。TODA製のφ50mmエアファンネルで吸気効率を高める。ファンネル長は63mmをチョイス。





>> 点火システムはS15用のスピリットファイヤー製のダイレクトイグニション。確実なスパークで、黒ヘッドのパフォーマンスを引き出す。

1985年式 トヨタ スプリンター トレノ(AE86)

SPECIFICATIONS 諸元
■ エクステリア:AE86レビン前期用フロントスポイラー/ヘッドライト/グリル、トレノ用後期テール
■ エンジン:4A-G型(黒ヘッド20バルブ)、カム(264度:VVTIキャンセル)
■ 吸排気系:AE111用4連スロットル、TODA製φ50mmファンネル(75mm)
■ 排気系:MORE DRIVEオリジナル等長エキマニ/ワンオフφ60mmマフラー
■ 点火系:スピリットファイア製S15用ダイレクトイグニッション
■ 制御系:MoTeC M84(ラムダ&ロガー)
■ 冷却系:HPI製ラジエーター、電動ファン(85℃設定)
■ 燃料系:サード製レギュレーター
■ 駆動系:エクセディ製強化クラッチ、TRD製4ピニLSDツイン(イニシャルアップ)
■ スペンション:テイン製スペシャライズドダンパー(倒立)(F)8kg/mm(R)リボルバー5.5kg/mm、
TRD製ブッシュ、クスコ製ラテラルロッド、リボルバー製ロールセンターアダプター(30mm)
■ インテリア:ナルディ製ステアリング、スタック製タコメーター、ブリッツ製水温計、バケットシート、
カロッツェリアDEH4200/スピーカー(F)TS-F1040(R)TS-X180
■ タイヤ:ダンロップ ディレッツァDZ101 185/55R14
■ ホイール:ロンシャンXR-4(F)14×7.5J (R)14×8.0J

【4】に続く

初出:ノスタルジックスピード vol.021 2019年8月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1985年式 トヨタ スプリンター トレノ(全4記事)

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【1】【2】から続く

text : AKIO SATO(rsf)/佐藤アキオ(rsf) photo : RYOTA SATO(SAKKAS)/佐藤亮太(サッカス)

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