MoTeC制御の20バルブ4A-G型で、理想を追い求めたカロリンタートレビノ【1】1985年式 トヨタ スプリンター トレノ

MoTeC制御の20バルブ4A-G型で、理想を追い求めたカロリンタートレビノ

       
免許を取ってすぐに買ったあこがれのハチロクを、1カ月で全損。それから2年、オーナーは再びハチロクを手に入れた。新しい相棒は、20バルブの4A-G型を搭載し、MoTeCで制御する快速チューンド。顔はレビン、テールはトレノという、スタイルにもぞっこん。今回は、21歳の青年に「一生手放さない」と断言された幸せなハチロクを紹介する。

【1985年式 トヨタ スプリンター トレノ Vol.1】

 雨の日は絶対に乗らない。休日になればガレージにこもって磨き込む。世界で一番好きなクルマと聞かれれば、間髪を入れずに「ハチロク」と答える。それは現在21歳の彼が生まれるずっと前のモデル、1980年代に旋風を巻き起こした昭和生まれのAE86だ。

 鳥取市在住のオーナーが、ハチロクを初めて目にしたのは中学の頃。実物ではなく、昔、AE86(トレノ)で峠を走っていた父の当時を記録した思い出の写真だった。普段、目にするクルマとは全く違う、エッジの効いたシャープなフォルム。今のどのクルマにも似ていない個性に、強く引かれたという。やがて高校を卒業し、初めて手に入れたクルマは、もちろんハチロクだ。ところが、購入後、早々にクラッシュさせる。そのショックは計り知れず「どうしても捨てることができずに、全損のくの字に曲がったボディに、ずっとワックスがけをしていました」と話すほど。

>> 【画像29枚】プロショップナカガワが手がけた20バルブの4A-GE型改となるパワーユニットなど。9000rpm設定のレブリミットまで一気に吹け上がり、トルク感はノーマル16バルブの比ではない



>> フロントグリルはAE85タイプのグリルとなっている。エンブレムは装着されていない。





>> オーナーのハチロクは、一番人気のパンダトレノ。しかも、軽量なハッチバックモデルで、フェイス以外は完全オリジナル。

1985年式 トヨタ スプリンター トレノ(AE86)

SPECIFICATIONS 諸元
■ エクステリア:AE86レビン前期用フロントスポイラー/ヘッドライト/グリル、トレノ用後期テール
■ エンジン:4A-G型(黒ヘッド20バルブ)、カム(264度:VVTIキャンセル)
■ 吸排気系:AE111用4連スロットル、TODA製φ50mmファンネル(75mm)
■ 排気系:MORE DRIVEオリジナル等長エキマニ/ワンオフφ60mmマフラー
■ 点火系:スピリットファイア製S15用ダイレクトイグニッション
■ 制御系:MoTeC M84(ラムダ&ロガー)
■ 冷却系:HPI製ラジエーター、電動ファン(85℃設定)
■ 燃料系:サード製レギュレーター
■ 駆動系:エクセディ製強化クラッチ、TRD製4ピニLSDツイン(イニシャルアップ)
■ スペンション:テイン製スペシャライズドダンパー(倒立)(F)8kg/mm(R)リボルバー5.5kg/mm、
TRD製ブッシュ、クスコ製ラテラルロッド、リボルバー製ロールセンターアダプター(30mm)
■ インテリア:ナルディ製ステアリング、スタック製タコメーター、ブリッツ製水温計、バケットシート、
カロッツェリアDEH4200/スピーカー(F)TS-F1040(R)TS-X180
■ タイヤ:ダンロップ ディレッツァDZ101 185/55R14
■ ホイール:ロンシャンXR-4(F)14×7.5J (R)14×8.0J

【2】に続く

初出:ノスタルジックスピード vol.021 2019年8月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1985年式 トヨタ スプリンター トレノ(全4記事)

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text : AKIO SATO(rsf)/佐藤アキオ(rsf) photo : RYOTA SATO(SAKKAS)/佐藤亮太(サッカス)

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