FR最後のサニークーペ。サニーとカローラ。昭和大衆車の王座をかけて争った2台のライバル|1978年 ダットサン サニークーペ1400 SGX-E【1】

希少性が高まってきている フルオリジナルのB310クーペ

       

旧車は「ナマモノ」だ。欲しいクルマに出合ったとき即断しなければ、次のチャンスがいつ来るか分からない。特に生産台数の少なかったクルマはまさにそれで、「見つけたとき」が「買いどき」なのだ。FR最後のサニークーペも、そんな1台。いま買い逃したら、もうチャンスはないかも!?

【1978年 ダットサン サニークーペ1400 SGX-E vol.1】

サニーとカローラ。昭和大衆車の王座をかけて争ったライバルは、デビューの時期こそサニーが1966年4月、カローラが同年11月と時間差があった。ところが、第2ラウンド、すなわち2ドアスポーティーモデルの発売時期は、68年3月と真っ向からぶつかる形となった。

サニーはB10にクーペ(KB10)を投入。一方のカローラは名称をカローラスプリンター(KE15)と一新して、新しさを前面に押し出し、セダンから続くライバル関係は、クーペにおいても火花を散らすこととなった。

ちなみにこの68年というのは、日本車の世界において2ドアモデルが大きく花開いた年でもある。2Lクラス初のハードトップであるMS51クラウンハードトップや510ブルーバードのクーペも同年にデビューしているのだ。昭和も40年代に入り、いわゆる高度経済成長期の好景気を背景に、新たなる市場の開拓が求められていたということであろう。

【画像22枚】昭和大衆車の王座をかけて争ったライバルの第2ラウンドは、真っ向勝負となった。サニークーペのボディ側面を彩る大型のリアクオーターウインドーが、個性を一層引き立てる。標準で装着されるタイヤは165/70HR13。ホイールは純正スチール


>>希少性が高まってきているフルオリジナルのB310クーペ



>>A14型エンジンを搭載するモデルは、もれなくフロントディスクブレーキを採用。足まわりも純正のまま。


1978年式 ダットサンサニークーペ1400SGX-E(KHB310)


●全長3995mm
●全幅1595mm
●全高1340mm
●ホイールベース2340mm
●トレッド前/後1330/1300mm
●最低地上高165mm
●室内長1645mm
●室内幅1345mm
●室内高1095mm
●車両重量875kg
●乗車定員5名
●登坂能力tanθ0.48
●最小回転半径4.5m
●エンジン型式A14E型
●エンジン種類水冷直列4気筒OHV
●総排気量1397cc
●ボア×ストローク76.0×77.0mm
●圧縮比9.0:1
●最高出力92ps/6400rpm
●最大トルク11.7㎏-m/3600rpm
●変速比1速3.513/2速2.170/3速1.378/4速1.000/5速0.846/後退3.464
●最終減速比3.889
●燃料タンク容量50L
●ステアリング型式リサーキュレーティングボール(ギヤ比16.4)
●サスペンション前/後ストラット・コイル/4リンクコイル車軸式
●ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング
●タイヤ前後とも165/70HR13
●発売当時価格113.4万円


【2】へ続く


初出:ノスタルジックヒーロー2019年6月号 Vol.193
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1978年 ダットサン サニークーペ1400 SGX-E(全3記事)

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text: Hiromi Takeda/武田公実 photo: Isao Yatsui/谷井 功

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