SGX-E。インジェクション時代の草創期に、最も豪華なグレードとして君臨したモデル|1978年 ダットサン サニークーペ1400 SGX-E【2】

GL以上のグレードには、コーナーラバー付き大型バンパーが標準となる。そして、GX系とSGX系にはフロントグリル組み込み式専用フォグランプが装備された。「SGX-E」のエンブレムがリアハッチに装着される。SGXは1400㏄シリーズの最高グレードで、「E」は日産EGI(電子制御燃料噴射装置)が付くことを意味する


旧車は「ナマモノ」だ。欲しいクルマに出合ったとき即断しなければ、次のチャンスがいつ来るか分からない。特に生産台数の少なかったクルマはまさにそれで、「見つけたとき」が「買いどき」なのだ。FR最後のサニークーペも、そんな1台。いま買い逃したら、もうチャンスはないかも!?

【1978年 ダットサン サニークーペ1400 SGX-E vol.2】

昭和大衆車の王座をかけて争ったライバルの第2ラウンドは、真っ向勝負となった、その時代。

話をサニーに戻そう。B10クーペ以降も、サニーは伝統的にファストバックスタイルのクーペをラインナップに加えてきた。GXの登場に沸いた110サニーしかり、ロケットサニーの愛称で親しまれた210サニーしかりだ。

そして77年にモデルチェンジを受けて、310へと進化したサニーにもこの遺伝子は当然のごとく受け継がれる。210サニーの時期にA型エンジンは1171ccのA12型と、1397ccのA14型の2機種に拡大されたが、このラインナップは310サニーにおいても同様だった。

 ただ、排ガス規制の波が押し寄せてきていた時代と重なったこともあり、210の後期、211の時代に存在したA14型+SUツインキャブの組み合わせは消滅。代わりに脚光を浴びたのがEGI(エレクトリックガソリンインジェクション)搭載のモデルたちだった。

これらは車名の最後に「E」が付くことで見分けることができる。今回紹介する310クーペの正式車名は「SGX‐E」。まさにインジェクション時代の草創期、最も速く、最も豪華なグレードとして君臨したモデルなのだ。

【画像22枚】キャブレターに換わって搭載された燃料噴射装置。最適な混合気がエンジンに送られるため、常に理想の燃焼状態におかれるとうたわれた。A14E型エンジンは、1397㏄直列4気筒OHVユニットから、92ps/11.7㎏-mを発揮。シングルキャブ搭載のA14型の80ps/11.5㎏-mと比べ、12psものパワーアップを誇った。ヘッドカバー、エアクリーナーボックスのカラーリングも当時のもの。純正部品の欠品はなし





>>後席の背もたれが左右独立して倒れるため、使い勝手のいいラゲッジルームになる。




1978年式 ダットサンサニークーペ1400SGX-E(KHB310)

●全長3995mm
●全幅1595mm
●全高1340mm
●ホイールベース2340mm
●トレッド前/後1330/1300mm
●最低地上高165mm
●室内長1645mm
●室内幅1345mm
●室内高1095mm
●車両重量875kg
●乗車定員5名
●登坂能力tanθ0.48
●最小回転半径4.5m
●エンジン型式A14E型
●エンジン種類水冷直列4気筒OHV
●総排気量1397cc
●ボア×ストローク76.0×77.0mm
●圧縮比9.0:1
●最高出力92ps/6400rpm
●最大トルク11.7㎏-m/3600rpm
●変速比1速3.513/2速2.170/3速1.378/4速1.000/5速0.846/後退3.464
●最終減速比3.889
●燃料タンク容量50L
●ステアリング型式リサーキュレーティングボール(ギヤ比16.4)
●サスペンション前/後ストラット・コイル/4リンクコイル車軸式
●ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング
●タイヤ前後とも165/70HR13
●発売当時価格113.4万円


【3】へ続く


初出:ノスタルジックヒーロー2019年6月号 Vol.193
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1978年 ダットサン サニークーペ1400 SGX-E(全3記事)

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TEXT : AKIO SATO(rsf)/佐藤アキオ(rsf) PHOTO : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ) COOPERATION : TA AUTO/TAオート

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