ドライカーボンボディで軽く、電動パワステやクーラーなどで重く、最終的なその重量は?|1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R【5】

チューンドS20型のハイパワーと、ドライカーボンによる軽量化が融合

       
数々のモディファイドGT-Rを紹介してきた本誌だが、今回の1台は「格が違う」。なにせ極上ボディをフルレストアし、そこに惜し気もなく新品パーツとドライカーボンパーツをセット。さらにS20型ユニットをチューンナップし、そのパワーに見合ったブレーキやサスを組み込んでいる。これぞまさしく「新車のGT-R」と断言できる仕上がりだ!

【1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R Vol.5】

【4】から続く

 実は、オーナーのTさんは、若い頃にもハコスカに乗っていたのだが、「軽自動車に抜かれて、イヤになって手放した(笑)」というエピソードを語ってくれた。そのため、50歳代になって再び買い直した2台目のGT‐Rには絶対的な速さを求めたという。

 速さを追求する手段として、ボディの軽量化はまず思い浮かぶチューニングの一つ。ただし、電動パワステやクーラーの追加、ブレーキのサイズアップなどにより、実際はノーマルの車重より軽くはならなかったそうだが、軽量化に貢献していることに間違いない。ボンネットやドアを開けたときの軽さ、そしてチラっと見えるカーボンの織り目が、このGT‐Rがケタ違いの1台であることを静かに主張してくれる。
当時物にこだわったバンパーや初期モデルのダッシュボードなど、RSスタートがそのキャリアと情報網を駆使して集めた新品パーツで組み上げられた、まさに新車のコンディションを誇るGT‐R。「史上最高のハコスカができたと、自信を持っていえます」 と微笑みながら話す宮崎代表の言葉に、オーナーのTさんも大満足している。

>> 【画像44枚】現代のクルマに不可欠なカーナビやスマホを接続するケーブルも装備。環境に優しいR134aガスを使用したクーラーなど。街乗りメインな乗り方をするならば、クーラーも不可欠となる




>> 軽さと強度を兼ね備えたドライカーボン製のハードトップ用ドア。ボディ側のクオリティーの高さもさることながら、ドアトリムを張って隠れてしまう内側までハイレベルな仕上がりとなっている。重量は片側で2.6kg、価格は左右セットで92万円(+税)。






>> 純正の764g/個からドライカーボン製331g/個と433gの軽量化となるフェンダーミラーは、左右セットで12万円(+税)。S30フェアレディZ用12万5000円(+税)もライアナップ。


SHOP INFO.

40年以上のキャリアを持つ老舗


1975年より営業を開始した「RSスタート」は、40年以上にわたってスカイライン、フェアレディZに携わってきている。車両販売から車検、メンテナンス、チューンアップ、レストアと、全方位において頼りになるショップといえる。
RSスタート
〒356-0002 埼玉県ふじみ野市清見3-1-20
TEL049-262-2848
https://www.rsstart.com/


1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R (KPGC10)

SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:RSスタート製ドライカーボンボンネット/フロントスポイラー/フロントフェンダー/フェンダーミラー/ドア/トランク/リアスポイラー/ワイドタイプオーバーフェンダー(70/80mm)、純正新品前後バンパー/フロントグリル/ライトベゼル/ウエザーストリップ、ボディ補強(フェンダー裏側、シート下スポット増し)、LEDヘッドライト
■エンジン:RSスタート製鍛造ピストン/I断面コンロッド/フルカウンタークランク/カムシャフト(75度、10mmリフト)/燃焼室形状容積合わせ/強化バルブスプリング/オイルキャッチタンク/レース用ウオーターポンププーリー、ランマックス製ステンレスメッシュホース
■吸排気系:ウエーバー45DCOE×3、RSスタート製φ42.7mm6-1ステンレスタコ足(集合部φ70mm)/φ70mmオールステンレスマフラー(出口φ48.6mmデュアル)、
■冷却系:純正ラジエーターOH&3層加工、RSスタート製ラジエーターサブタンク
■燃料系:ニスモ製燃料ポンプ
■電気系:ICオルタネーター、永井電子機器製MDI-D/ウルトラシリコンプラグコード
■操舵系:RSスタート製電動パワーステアリング
■駆動系:ケンメリGT-R用71Bミッションケース+R32GT-R用71Cクロスミッション、亀有エンジンワークス製強化シングルプレートクラッチ/クロモリフライホイール
■サスペンション:オーリンズ製ショックアブソーバー(フロントのみリフター付き)、スウィフト製コイル(F)7kg/mm(R)14kg/mm、RSスタート製フロントピロテンションロッド(ターンバックル式)/フロント強化スタビライザー/リアロワアームターンバックル式キャンバーゼロ加工/ワークスタイプリアスタビライザーフルキット、強化ブッシュ
■ブレーキ:(F)RSスタート製ブレンボキットタイプ2(φ280mm2ピースドリルドローター) (R)強化ライニング、アルミフィンドラムカバー、純正ブレーキマスターバック&7/8シリンダーセット
■タイヤ:ブリヂストン・ポテンザRE71-R (F)205/45R16 (R)225/40R16
■ホイール:RSワタナベ・エイトスポークRタイプ(RSスタートオリジナルブロンズペイント)(F)16×8.5J -6  (R)16×9.5J -19
■インテリア:ナルディ製クラシックステアリング(スエード)、ワークスベル製ラフィックスⅡ、純正シート張り替え、RSスタート製フロアマット、カロッツェリアDVDナビ、クーラー、純正新品シフトノブ(初期型)/ダッシュボード/ドア内張り



初出:ノスタルジックスピード vol.022 2019年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R(全5記事)

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text : AKIO SATO(rsf)/佐藤アキオ(rsf) photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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