R32用71Cのギアをクロスにして組み込んだケンメリGT‐R用71Bのベルハウジング|1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R【3】

ダッシュボードは当時ものの新品に交換済み。しかも4種類あるうちの、スピーカー部分の穴が四角に開いている最初期物を使っていた。インパネ下にある金属パーツは、電動パワステのassyだ

       
数々のモディファイドGT-Rを紹介してきた本誌だが、今回の1台は「格が違う」。なにせ極上ボディをフルレストアし、そこに惜し気もなく新品パーツとドライカーボンパーツをセット。さらにS20型ユニットをチューンナップし、そのパワーに見合ったブレーキやサスを組み込んでいる。これぞまさしく「新車のGT-R」と断言できる仕上がりだ!

【1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R Vol.3】

【2】から続く

 ミッションは、ケンメリGT‐Rで採用された2分割となる71Bのベルハウジングを使い、R32用71Cのギアをクロスにして組み込んでいる。ミッションは50mmほど長くなってしまうが、メンバーを加工することでクリアしている。合わせてプロペラシャフトをヨークタイプにワンオフで新規製作した。また、亀有エンジンワークス製クロモリフライホイールと強化シングルプレートクラッチを組み合わせることで、スムーズなシフトフィーリングが楽しめる駆動系が完成した。

 新車に引けをとらないコンディションは、目につく外観だけではない。リフトアップして確認した下まわりのコンディションも、まさに新車クオリティーといえる。ペイントの剥がれやサビ、汚れが皆無なのはもちろん、フェンダーの裏側やシート下など、外からでは分からない部分にスポット増しの補強が行われている。

>> 【画像44枚】ブレンボの4ポットキャリパーとφ280mm2ピースフローティングドリルドローターの組み合わせとなるRSスタートのブレンボブレーキキットタイプなど



>> ワークスタイプリアスタビライザーフルキットは、多くのオーナーからリクエストがあった待望の製品。ハコスカの4ドア、2ドアGTにも取り付け可能だ。





>> クルマに設置したままでキャンバー、トーの調整ができる、リアロワアーム ターンバックル式キャンバーゼロ加工も、RSスタートならではの創意工夫から誕生した。

1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R (KPGC10)

SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:RSスタート製ドライカーボンボンネット/フロントスポイラー/フロントフェンダー/フェンダーミラー/ドア/トランク/リアスポイラー/ワイドタイプオーバーフェンダー(70/80mm)、純正新品前後バンパー/フロントグリル/ライトベゼル/ウエザーストリップ、ボディ補強(フェンダー裏側、シート下スポット増し)、LEDヘッドライト
■エンジン:RSスタート製鍛造ピストン/I断面コンロッド/フルカウンタークランク/カムシャフト(75度、10mmリフト)/燃焼室形状容積合わせ/強化バルブスプリング/オイルキャッチタンク/レース用ウオーターポンププーリー、ランマックス製ステンレスメッシュホース
■吸排気系:ウエーバー45DCOE×3、RSスタート製φ42.7mm6-1ステンレスタコ足(集合部φ70mm)/φ70mmオールステンレスマフラー(出口φ48.6mmデュアル)、
■冷却系:純正ラジエーターOH&3層加工、RSスタート製ラジエーターサブタンク
■燃料系:ニスモ製燃料ポンプ
■電気系:ICオルタネーター、永井電子機器製MDI-D/ウルトラシリコンプラグコード
■操舵系:RSスタート製電動パワーステアリング
■駆動系:ケンメリGT-R用71Bミッションケース+R32GT-R用71Cクロスミッション、亀有エンジンワークス製強化シングルプレートクラッチ/クロモリフライホイール
■サスペンション:オーリンズ製ショックアブソーバー(フロントのみリフター付き)、スウィフト製コイル(F)7kg/mm(R)14kg/mm、RSスタート製フロントピロテンションロッド(ターンバックル式)/フロント強化スタビライザー/リアロワアームターンバックル式キャンバーゼロ加工/ワークスタイプリアスタビライザーフルキット、強化ブッシュ
■ブレーキ:(F)RSスタート製ブレンボキットタイプ2(φ280mm2ピースドリルドローター) (R)強化ライニング、アルミフィンドラムカバー、純正ブレーキマスターバック&7/8シリンダーセット
■タイヤ:ブリヂストン・ポテンザRE71-R (F)205/45R16 (R)225/40R16
■ホイール:RSワタナベ・エイトスポークRタイプ(RSスタートオリジナルブロンズペイント)(F)16×8.5J -6  (R)16×9.5J -19
■インテリア:ナルディ製クラシックステアリング(スエード)、ワークスベル製ラフィックスⅡ、純正シート張り替え、RSスタート製フロアマット、カロッツェリアDVDナビ、クーラー、純正新品シフトノブ(初期型)/ダッシュボード/ドア内張り


【4】に続く

初出:ノスタルジックスピード vol.022 2019年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R(全5記事)

関連記事:COVER CAR STORY

関連記事:スカイライン


【1】【2】から続く

text : AKIO SATO(rsf)/佐藤アキオ(rsf) photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

RECOMMENDED

RELATED

RANKING