誕生前夜「おやじ」のスーパーカブを超える。そんな意気込みで生まれた「座ぶとんエンジン」｜1990年式 ホンダ NSX【1】

Nosweb 編集部 2024/03/04

リトラクタブルヘッドライトのユニットは高さ約90㎜、幅210㎜。ポップアップ時の高さを最小限に抑え、空気抵抗を低減するため、プロジェクター4灯式を採用。2001年のマイナーチェンジで固定式ヘッドライトに変更。

　　　　　　　

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1990年7月。アメリカで発表されたNSXは世界に衝撃を与えた。圧倒的なパワーとスピードがスーパーカーたるゆえんだという常識を覆したのだ。

ただ、ひとつ勘違いされていることがある。NSXはバブルがあったから生まれたと語られがちだ。しかし、真相は少し違う。ことの発端は84年にスタートしたある研究開発。

それが「アンダーフロア・ミッドシップ・リアドライブ」で、リアシートの下にエンジンを積むことから「座ぶとんエンジン」とも呼ばれた。このプロジェクトにかかわるメンバーの「四輪で『おやじ（創業者の本田宗一郎）』のスーパーカブを超える存在のクルマを作る」という思いが、後のNSX誕生につながっていく。
【画像21枚】オールアルミ・モノコックボディの採用により車両重量は1350㎏という軽量、4.8ps/㎏のパワー・ウエイト・レシオを実現した



>>ボディサイドを深くえぐり込み吸入口率をアップしたエアインテーク。ミッドシップの証だ。


>>アルミホイールは95年3月の改良で登場した7本スポークの純正アルミに変更。

主要諸元　Specifications
NSX（NA1）

全長×全幅×全高（mm） 4430×1810×1170
ホイールベース（mm） 2530
トレッド前/後（mm） 1510/1530
車両重量（kg） 1350
エンジン型式 C30A型
エンジン種類 Ｖ型６気筒DOHC
総排気量（cc） 2977
ボア×ストローク（mm） 90.0×78.0
圧縮比 10.2：1
最高出力（ps/rpm） 280/7300
最大トルク（kg-m/rpm） 30.0/5400
変速比 1速3.071/2速1.952/3速1.400/
4速1.033/5速0.771/後退3.186
最終減速比 4.062
ステアリング ラック＆ピニオン
サスペンション ダブルウイッシュボーン（前後とも）
ブレーキ ベンチレーテッドディスク（前後とも）
タイヤ前・後 205/50ZR15・225/50ZR16
発売当時価格 800.3万円

【2】へ続く

初出：ハチマルヒーロー2017年1月号 vol.39
（記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです）

1990年式 ホンダ NSX（全4記事）

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