アイルトン・セナが「ベストハンドリング」と評した、世界で認められるスーパーカー|1990年式 ホンダ NSX【4】

クルマを扱う「人」を優先に設計されたコクピット。ステアリングはタイプR専用のMOMO製に交換している。

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搭載エンジンは3LのV型6気筒。当初は自然吸気SOHCで250psというスペックだったが、プロトタイプ2が完成していた88年半ばに突如、DOHC・VTEC搭載案が持ち上がる。これはエンジンを積み替えるだけの単純な話ではない。ホイールベースの延長、それにともなうボディ剛性の設計、各部のセッティング……それはフルモデルチェンジに相当する改良だった。

このほかにも、前代未聞のアルミボディ実現の舞台裏や、北米との攻防など、興味深い開発話は数多いが、それは別の機会に残しておこう。

こうして開発が進むNSXはドイツのニュルブルクリンクで徹底的な走り込みを行い、ポテンシャルと完成度を高めていった。開発段階ではアイルトン・セナが鈴鹿で、ポール・フレールがニュルブルクリンクでテスト。「ベストハンドリングのロードゴーイングカーだ(ポールフレール)」と評している。
【画像21枚】90度V型6気筒DOHCエンジンはチタンコンロッドなどレーシングカーの技術をフィードバック。92年に追加されたタイプRもカタログ値のスペックは同じ。97年の改良時にMT車を3.2ℓエンジン+6速MT仕様とした


>>中央の太いセンターコンソール上部にエアコンやオーディオユニットをレイアウト。このスイッチ類も操作性が考慮され、ステアリングからの距離を近くすることで、手の動きを最小限に抑えている。


>>メーターは6眼電気式のアナログ。中央に大型のスピード&タコ、周囲に燃料、電圧、油圧、水温のメーターを見やすくレイアウト。スピードメーターは340km/hメーターに変更。


>>手首の動きだけでコクッと入るシフト。タイプRのチタン削り出し仕様に交換されていた。

主要諸元 Specifications
NSX(NA1)

全長×全幅×全高(mm) 4430×1810×1170
ホイールベース(mm) 2530
トレッド前/後(mm) 1510/1530
車両重量(kg) 1350
エンジン型式 C30A型
エンジン種類 V型6気筒DOHC
総排気量(cc) 2977
ボア×ストローク(mm) 90.0×78.0
圧縮比 10.2:1
最高出力(ps/rpm) 280/7300
最大トルク(kg-m/rpm) 30.0/5400
変速比 1速3.071/2速1.952/3速1.400/
4速1.033/5速0.771/後退3.186
最終減速比 4.062
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ダブルウイッシュボーン(前後とも)
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ前・後 205/50ZR15・225/50ZR16
発売当時価格 800.3万円

【5】へ続く

初出:ハチマルヒーロー2017年1月号 vol.39
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1990年式 ホンダ NSX(全5記事)

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