希少な50系初の特別仕様車! 新機能満載で大幅な進化を達成した3代目ハイエース|1984年式 トヨタ ハイエース ワゴン スーパーカスタム リビングサルーンEX【1】

前期モデルはヘッドライトが角形4灯。ボディカラーとコーディネートされたカラードグリルはリビングサルーンEXの特別装備。また、フォグランプも特別装備されたそうだが、この個体は未装備

       
【ワンボックスパラダイス 1984年式 トヨタ ハイエース ワゴン スーパーカスタム リビングサルーンEX vol.1】

 1982年12月に登場した3代目ハイエース。2代目からの進化は計り知れなく、とくにワゴンはそれが著しい。というのも、初代と2代目はもともと商用バンからの派生モデルという成り立ちが色濃く、商用用途がメインだったが、70年代後半になるとユーザーの好みや用途が多様化し、ワンボックス(キャブオーバー)の乗用用途が増加。多人数が乗れる高級RVとして認知されてきた。そんな市場の変化に対応するため、H50系はより乗用車としてのキャラクターを強調した。

 まずエクステリアは、丸みを帯びた2代目から一転、直線基調のボックススタイルに変更。角形4灯ヘッドライトや幅広のプロテクターモールの採用などにより、最上級ワンボックスワゴンにふさわしい堂々とした風格が与えられた。加えて、豪華さをアピールするメタリックの2トーンボディカラーも新たに加えられている。

 一方インテリアも同様に、フルトリムやカーペットで仕立てられ(上級グレードのみ)、一気に乗用車的な上質な空間となった。さらに、ワンボックスならではのシートアレンジも多彩に。日本初の1列目から3列目までのオールフルフラットシートを筆頭に、2列目席にはスライド機構や回転対面機構も採用。広さや快適性だけでなく、楽しさまで演出する室内が広がっている。
【画像19枚】リアアンダーのマッドガードも特別装備アイテム。「HIACE」の文字が入ったオシャレなデザイン。取材車両に装着しているアルミホイールはエンケイ。純正も専用アルミを特別装備していた。ボディサイドのデカールはリビングサルーンEXの専用



>>リビングサルーンEXはハイエースの特別仕様車として何度も発売されている。このH50系前期は全国300台限定だった。なので、現存する個体は数少ない。この個体はほぼオリジナルで、車高を若干落としている。

主要諸元 Specifications
84年式 ハイエース スーパーカスタム リビングサルーンEX

全長×全幅×全高(mm) 4495×1690×1960
ホイールベース(mm) 2295
トレッド前/後(mm) 1440/1400
車両重量(kg) 1605
エンジン型式 3Y型
エンジン種類 直列4気筒OHV
総排気量(cc) 1998
ボア×ストローク(mm) 86.0×86.0
最高出力(ps/rpm) 105/5200
最大トルク(kg-m/rpm) 17.0/3000
サスペンション前/後 ウイッシュボーン/4リンク式トーションバースプリング
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/リーディングトレーリング
タイヤ 205/70SR14(前後とも)

【2】へ続く

1984年式 トヨタ ハイエース ワゴン スーパーカスタム リビングサルーンEX(全3記事)
初出:ハチマルヒーロー 2017年5月号 Vol.41

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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TEXT:Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO:AKIO HIRANO/平野陽

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