【第二話[2]】1964年生まれのS600。50年以上に渡る汚れが溜まったエンジンルームもスチーム洗浄!|旧車復元プロジェクト

1964年式S600の復元プロジェクトがスタート。

       
ジーライオンミュージアムが巨大なストックヤードに保管する不動車を、走行可能な状態にまで持っていく過程を紹介する本企画。第1弾の対象として選んだモデルはホンダのS600だ。ベース車選びも終わり、いよいよレストア作業がスタート。まずは各部の洗浄から。

【GLION MUSEUM presents 旧車復元プロジェクト 第二話[2] 1964年式 ホンダ S600】

【画像26枚】 ホンダS600のエンジンルーム洗浄。外側だけでなく、ウオータージャケット内部もきれいに

 アンダーボディの洗浄を終えたら、引き続きエンジンルームを洗浄。キャブレターを取り外し、インテーク部分をマスキング。ヒューズボックスなど、電気系はきっちり防水処理を施す。エンジンルーム内は高温になるため汚れがさらにガンコだ。

 そしてエンジンルームでのクライマックス作業が、エンジン本体のウオータージャケットの洗浄だ。長年放置された不動車は、冷却水が完全に蒸発し、水路には水あかや異物などがたまっている状態。これを高圧洗浄機の水圧で一気に洗い出す。たまっていた水あかや異物が水に押し出されてどんどん流れだし、内部が洗浄されていく様子は見ていて気持ちがいい。

 洗浄作業完了後、いよいよ各部の細かな検証と路上復帰させるための基本的なメンテナンスがスタートする。柘植さんがまず手をつけたのが、安全走行の要となるブレーキ系だ。クラッチマスターとブレーキマスターシリンダーはエンジンルームを洗浄する際に取り外しているので、ドラム内のブレーキシューやピストンを分解して点検。ハブベアリングも取り外して状態確認を行った。

 なお、今回のS600の場合、ブレーキまわりのゴム類は全交換を行う予定。パーツも不安のあるものはすべて交換、もしくは確実に修理される。その詳細は次号で。

--{エンジンルームの洗浄開始。エンジンのウオータージャケット内に溜まった汚れもきちんと洗浄。}--

>>エンジンを洗浄する準備のため、キャブレターを取り外す。キャブは洗浄するとしても揮発性のあるガソリン等で洗うのがセオリーだ。



>>取り外した京浜製の26Rキャブレターは、良好なコンディション。もちろん、全バラにしてオーバーホールを行う予定。



>>ウオーターポンプには水アカや腐食が見えるが、洗浄してオーバーホールすれば問題なく使えるレベルだ。ウオータージャケットの洗浄はウオーターポンプの水路から水を送り込む。


>>防水処理を確実に行ったところで、エンジンルームのスチーム洗浄を開始。エンジンルームのまわりから、インナーフェンダーなどを洗浄し、次にエンジン本体、最後にウオータージャケット内部を高圧洗浄する。



>>チーフメカニックの柘植俊哉さん。どんな不動車も復活させる凄腕メカニック。ジーライオンミュージアムに展示された旧車はほとんどが柘植さんのお墨付きだ。

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初出:ノスタルジックヒーロー 2018年8月号 vol.188
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

GLION MUSEUM presents 旧車復元プロジェクト 第二話(全2記事)

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text:ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー)photo:RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックスブックス) cooperation:GLION MUSEUM/ジーライオンミュージアム

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