ダッシュボードもカーペットも、エンジンも外して塗装。ほぼフルレストアと言えるほどに手を加えられたサバンナ|1990年式 マツダ サバンナRX-7 GT-X【3】

インパネはほぼオリジナルを維持。取材車両はもとの状態も良かったが、カーペットをはがして塗装したり徹底的なクリーニングによって、新車のような仕上がり

       
【孤高のロータリーエンジン 1990年式 マツダ サバンナRX-7 GT-X vol.3】

 このFC3Sは、RX-7のプロショップ「トータルセブン」が製作したデモカー。ベースは90年式のGT-Xで、見ての通り内外装からエンジンルームまで新車のような状態に仕上げられた1台だ。

 この個体、「ハコ」としてのコンディションはけっして悪くはなかったが、塗装面の劣化はかなり進んでいた。そこでオールペイントを実施したのだが、外板だけでなくエンジンを降ろしてエンジンルームまできっちりと塗装。

 また、インテリアもダッシュボードなどを取り外し、カーペットもすべて剥がして再塗装するなど、細部にいたるまで純正色でリペイントされているのだ。ただし、インテリアに関しては幸いにも各パーツの状態が良かったので、ほとんどのパーツはクリーニングなどで対応。

 新品パーツを使用したのは、シフトノブ程度だという。一方エンジンは、オーバーホールを施してリビルトタービンを装着。四半世紀以上前のクルマといえども、不安なくドライブできるようにリフレッシュされている。

 このように、フルレストアと言えるほど手がかけられたFC3Sだが、見どころはこれだけにとどまらない。サスペンションはブリッツの車高調ZZ-Rを組み、シートはブリッドとのコラボで製作されたトータルセブンのロゴ入りオリジナルバケットシートを装着。加えて、コーヨー製アルミラジエーターを装着するなど、軽快かつパワフルな走りを、いっそう安心して楽しめる仕様に仕立てられている。

 FC3Sがデビューしてから30年、生産終了から25年が経過した(取材当時)。しかし、ロータリースポーツとしての魅力は、いまだに色あせていない。

【画像28枚】純正色にオールペイントが施されているこの個体だが、インテリアの状態は良好であった


>>エンジン本体にさまざまなファインチューンを施し、前期よりも20ps/2.5kg-mアップした13B型。ハイパワーとともにレスポンスも向上している。


>>フロントシートはトータルセブンとブリッドのコラボレーションモデル。優れたサポート性を持ちながらリクライニング可能なセミバケットタイプで、カラーやマテリアルも後期FC3Sにベストマッチ。同店の刺繍入りだ。


>>こちらの写真はレストア途中のもの。エンジンなどをすべて降ろして「丸裸」状態にしたうえで、ボディはオールペイントされている。






トータルセブン

FC3SおよびFD3Sを中心に取り扱うRX-7のプロショップがトータルセブン。同店は中古車販売がメインだが、専門店ならではの豊富なノウハウを生かし、一般整備やチューニング、そして今回のデモカーのようなレストア作業も行っている。それゆえ、車両購入後も長く付き合うことができるのだ。ユーザーのことを第一に考えた親しみやすいスタッフばかりなので、気軽に足を運んでみては!?




サバンナRX-7 GT-X(FC3S)

全長×全幅×全高 4335×1690×1270mm
ホイールベース 2430mm
トレッド前/後 1450/1410mm
車両重量 1250kg
エンジン型式 13B型
エンジン種類 2ローター・ロータリーターボ
総排気量 654×2cc
圧縮比9.0:1
最高出力 205/6500ps
最大トルク27.5/3500kg-m/rpm 
燃料タンク 70L
変速比 1速3.483/2速2.015/3速1.391/
4速1.000/5速0.806/後退3.288
最終減速比 4.100
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/マルチリンク
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 205/60R15(前後とも)
発売当時価格 248.6万円




【1】【2】から続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年11月号 Vol.38
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1991年式 マツダ サバンナRX-7 GT-X(全3記事)

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text:Rino Creative/リノクリエイティブ photo:Motosuke Fujii(Salute)/藤井元輔(サルーテ) cooperation MAZDA/マツダ

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