あえてL20型のライトチューンで、王道の「R仕様」を楽しむ｜1971年式 日産 スカイラインHT 2000 GT【3】

【時代を突き進むL型チューンド！ 1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT　Vol.3】

この3台の中に、本物のGT-Rに混ざって1台だけR仕様がある。それがどれかを当てることができるだろうか？　ピットハウスが手がけたハコスカ2000GTベースのR仕様は、エンジンはあえてライトチューニングにとどめ、R仕様へのカスタムの品質を極限まで高めている。スピードよりもクオリティーの高さを求める、大人のハコスカファンの気持ちに刺さるチューンドとなっている！

【2】から続く

　まずエンジンは、2000GT純正のL20型。排気量はそのまま、ポートの段つき修正など、ヘッドまわりのみに手を加えたライトチューン仕様で、L型本来の自然なトルクフィーリングを味わえる。キャブは純正のSUツインからソレックス40PHH（S型）の3連装に変更し、スタンダードの排気量とはいえ120㎰の最高出力という街乗りには十分なパワーを発揮する。

　乗り心地にもしっかりと配慮された足まわりは、ビルズのフルタップ式車高調などでセッティングされている。要所のブッシュはウレタンタイプでリフレッシュされており、スタビリティーやハンドリングにも不満はない。

　また、このR仕様は走りより安全性の向上のため、ハイグレードなブレーキシステムを装着。フロントにはエンドレスにオーダーしたS4F特注の4ポットキャリパーキットが組み込まれ、どんなシーンでも意のままにスピードをコントロールできるブレーキシステムに仕上げている。しかも、重ステと呼ばれて敬遠される操舵系には、電動パワステを組み込むことで、快適なステアリングフィールを実現している。

　一方、R仕様へのこだわりは究極といえる完成度を誇る。このあたりは、自社のファクトリーを保有し、板金塗装から内装まで一括してこなすピットハウスだからこそのクオリティーだ。例えばボディは、リアフェンダー内の3層構造など、外からはまったく見えない部分をも再現するという徹底した作り込み。装飾パーツのほとんどに純正品が使われているところも、本物志向な大人ユーザーの趣味に合う。

>> 【画像28枚】居住性を重視して、あえてリクライニングタイプとしたシートなど。ドアの内張りはピットハウスオリジナルのR仕様パネルに交換されている



>> エンジンは軽くヘッドのみに手が入れられたライトチューンのL20型。エンジンもキャブレターもバフがけされて、まるでショールームのような美しさだ。





>> キャブレターはソレックス40PHH（S型）×3。





>> 美しくレイアウトされたプラグコードはウルトラ。コードの取り回しにまでコダワるクオリティーの高さが見て取れる。点火はフルトラ化。力の強いリダクションセルモーターもオーバーホール済み。

1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT（KGC10）

SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:フルレストア、シャンパンシルバー全塗装、GT-R仕様
■エンジン:L20型改、ヘッドのみライトチューン
■吸排気系:ソレックス40PHH（S型）、ワンオフタコ足、φ42.7mmデュアルマフラー
■点火系:赤外線式フルトラ、永井電子機器製ウルトラプラグコード
■冷却系:ブリッツ製インタークーラー、セトラブ製オイルクーラー
■燃料系:ニスモ製電磁ポンプ、燃圧レギュレーター
■サスペンション:ビルズ製車高調（F）8kg/mm （R）20kg/mm、ウレタンブッシュ
■ブレーキ:（F）ベンチレーテッドディスク （R）アルフィンドラム
■タイヤ:ポテンザ（F）RE11 195/55R15 （R）RE01R 225/50R15
■ホイール:ハヤシストリート（F）15×7J +20 （R）15×9.5J -19
■インテリア:ダッツンコンペステアリング、電動パワステ、内装張り替え

【4】に続く

初出：ノスタルジックスピード vol.022　2019年11月号
（記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです）

1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT（全4記事）

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【1】【2】から続く