究極といえる完成度の「R仕様」。ノスタルジック2デイズに出品されたデモカー【2】1971年式 日産 スカイラインHT 2000 GT

エンジンは軽くヘッドのみに手が入れられたライトチューンのL20型。エンジンもキャブレターもバフがけされて、まるでショールームのような美しさだ

       
【時代を突き進むL型チューンド! 1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT Vol.2】

この3台の中に、本物のGT-Rに混ざって1台だけR仕様がある。それがどれかを当てることができるだろうか? ピットハウスが手がけたハコスカ2000GTベースのR仕様は、エンジンはあえてライトチューニングにとどめ、R仕様へのカスタムの品質を極限まで高めている。スピードよりもクオリティーの高さを求める、大人のハコスカファンの気持ちに刺さるチューンドとなっている!

【1】から続く

 滋賀県彦根市にある「ピットハウス」が手がけたスカイラインHT2000GTのオーナーも、そういう大人なR仕様が好みだ。実をいうとこのハコスカは、ピットハウスが今年の「ノスタルジック2デイズ」に出品したデモカーで、「紳士のためのR仕様」をコンセプトに製作されている。ボディを自社のファクトリーでフルレストアし、エンジンはあえて純正のL20型のまま、スタンダードスペックをキープしたライトチューン仕様。その分、快適装備を充実させている。もちろん、インテリアやエクステリアのR仕様としての仕上がりは、本物を横に並べて見比べても分からないほどハイレベルだ。しかも、販売価格が破格の設定だったこともあり、2デイズのブースには、購入希望者の列できるほどだった。現オーナーは、その時にわざわざ山口県から横浜に足を運び、運良く購入することができたそうだ。

 速さはいらない。安心して快適に、ジェントルに楽しめるR仕様が欲しい。そんな、大人のユーザーのマインドにフィットする、ピットハウスの新感覚なR仕様の内容は次の通り。

>> 【画像28枚】燃料レギュレーターのすぐそばに取り付けられている燃圧計など。後付けパーツは可能な限り車内には持ち込まない。また、美しくレイアウトされたプラグコードはウルトラのコードの取り回しにまでコダワるクオリティーの高さが見て取れる。点火はフルトラ化。力の強いリダクションセルモーターもオーバーホール済み。
 




>> ハコスカGT-Rのインテリアを完全再現するコックピット。正解を探すより間違いを探す方が、このR仕様は難しい。ステアリングはダッツンコンペ。エンブレムはもちろんGT-R専用品の赤いタイプ。





>> 居住性を重視して、あえてシートはリクライニングタイプとした。ドアの内張りはピットハウスオリジナルのR仕様パネルに交換されている。



1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT(KGC10)

SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:フルレストア、シャンパンシルバー全塗装、GT-R仕様
■エンジン:L20型改、ヘッドのみライトチューン
■吸排気系:ソレックス40PHH(S型)、ワンオフタコ足、φ42.7mmデュアルマフラー
■点火系:赤外線式フルトラ、永井電子機器製ウルトラプラグコード
■冷却系:ブリッツ製インタークーラー、セトラブ製オイルクーラー
■燃料系:ニスモ製電磁ポンプ、燃圧レギュレーター
■サスペンション:ビルズ製車高調(F)8kg/mm (R)20kg/mm、ウレタンブッシュ
■ブレーキ:(F)ベンチレーテッドディスク (R)アルフィンドラム
■タイヤ:ポテンザ(F)RE11 195/55R15 (R)RE01R 225/50R15
■ホイール:ハヤシストリート(F)15×7J +20 (R)15×9.5J -19
■インテリア:ダッツンコンペステアリング、電動パワステ、内装張り替え

【3】に続く

初出:ノスタルジックスピード vol.022 2019年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT(全4記事)

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【1】から続く

text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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