こういう大人なハコスカ「R仕様」があってもいい【4】1971年式 日産 スカイラインHT 2000 GT

ロングツーリングも安心な エンジン性能と快適な居住性

       
【時代を突き進むL型チューンド! 1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT Vol.4】

この3台の中に、本物のGT-Rに混ざって1台だけR仕様がある。それがどれかを当てることができるだろうか? ピットハウスが手がけたハコスカ2000GTベースのR仕様は、エンジンはあえてライトチューニングにとどめ、R仕様へのカスタムの品質を極限まで高めている。スピードよりもクオリティーの高さを求める、大人のハコスカファンの気持ちに刺さるチューンドとなっている!

【3】から続く

「たとえ『仕様』であっても、妥協は一切ありません。オーナーに誇りを感じてもらえるよう、時間をかけ、精魂を込めて作っています」と話すピットハウスの国領宣孝代表。ちなみに、このR仕様が製作される模様は、レストアからエンジンチューニングの作業まで、ホームページ内のブログを通じてつぶさに発信されている。ピットハウスが手がけるレストアやチューニングには、隠しごとが一切なく、すべて公開されているのだ。そういうところも、ピットハウスが手がけるクルマの人気が高い理由だ。山口県から横浜までクルマを買いに行き、そして滋賀までクルマを引き取りにきたこのハコスカのオーナーのように、距離を苦にせずはるばる訪れるファンが後をたたない。

「常連の方にも、速さを求めない人が増えています。北海道ツーリングに行くにしても、速いクルマはあっという間に旅行が終わるからイヤだといわれる。なるほど、と思いました」

 速いR仕様がダメでも、作れないわけでもない。ただ、こういう大人なR仕様があってもいい考えるのが国領代表の意見。エンジンチューンはライトだが、味わいは奥深い。この極上のR仕様ならば、長く付き合えそうだ。


>> 【画像28枚】エンドレスの旧車向け4POTキャリパーシステムの特注品で強化されているフロントブレーキなど。機能本位で、キャリパーカラーをシックで目立たないグレーで塗り上げているところが大人




>> 自社ファクトリーでのフルレストア。アンダーボディも隅々まで、新車と見まがうほどの美しさだ。純正の71Bとなるミッションもきれいに磨き込まれている。





>> スタビライザーまわりを始め、要所のブッシュはウレタンブッシュでリフレッシュされている。シャキッとした乗り味で、ハンドリングも軽快だ。


SHOP INFO. / ピットハウス

カスタムの全てを内製で完全消化!

ボディメイクからインテリア、そしてエンジンチューンにいたるまで、カーカスタムのすべてを自社で完結。敷地内にはレストア専用のファクトリーもあり、オーナーには、作業の様子を常に公開するというスタンスに、信頼を寄せるファンが多い。

〒522-0057 滋賀県彦根市八坂町899
TEL0749-28-2175 http://www.pit-house.com/





1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT(KGC10)

SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:フルレストア、シャンパンシルバー全塗装、GT-R仕様
■エンジン:L20型改、ヘッドのみライトチューン
■吸排気系:ソレックス40PHH(S型)、ワンオフタコ足、φ42.7mmデュアルマフラー
■点火系:赤外線式フルトラ、永井電子機器製ウルトラプラグコード
■冷却系:ブリッツ製インタークーラー、セトラブ製オイルクーラー
■燃料系:ニスモ製電磁ポンプ、燃圧レギュレーター
■サスペンション:ビルズ製車高調(F)8kg/mm (R)20kg/mm、ウレタンブッシュ
■ブレーキ:(F)ベンチレーテッドディスク (R)アルフィンドラム
■タイヤ:ポテンザ(F)RE11 195/55R15 (R)RE01R 225/50R15
■ホイール:ハヤシストリート(F)15×7J +20 (R)15×9.5J -19
■インテリア:ダッツンコンペステアリング、電動パワステ、内装張り替え

初出:ノスタルジックスピード vol.022 2019年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT(全4記事)

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【1】【2】【3】から続く

text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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