DOHCターボの白い稲妻【2】世界初のパワーウーファーや日本初のチルトアップ機構付き電動ガラスサンルーフ| 1984年式 日産 シルビア ハッチバック ターボ RS-X|我が青春のリトラクタブル

リトラクタブル車の場合ポップアップすると不自然な車両も多いが、S12はラリー仕様のイメージもあるためか、それほど違和感はない

       
我が青春のリトラクタブル  DOHCターボを手に入れ、スポーツ性を高めた白い稲妻

【 1984年式 日産 シルビア ハッチバック ターボ RS-X Vol.2】

【1】から続く

 スポーティー色を強めたエクステリアとともに、パワーユニットにも大きな進歩が見られる。前期の場合、トップグレードのターボRSーXに、DR30スカイラインにも採用されたFJ20ET型を搭載。そのほかは、先代にも設定のあったFJ20E型、新開発のCA18型が3種類(自然吸気キャブ、同インジェクション、ターボ)搭載された。また、発展したシャシーも見逃せない。CA18型の自然吸気車は従来と同じ前ストラット/後4リンクだが、FJ20型とCA18型ターボ車のリアサスは独立縣架のセミトレーリングアームとし、運動性能の向上が図られた。

 こういったメカニズムのほか、ワイパー付きフルリトラクタブルヘッドライトやキーレスエントリーシステムといった先進装備のほか、世界初のパワーウーファーや日本初のチルトアップ機構付き電動ガラスサンルーフなど、斬新な装備も採用された。

 なお、先代と同じく兄弟車のガゼールも同時にモデルチェンジ。フロントグリルやテールランプの意匠が異なるほか、ガゼールにはFJ20E型搭載グレードが未設定となっていた(FJ20ET型はあり)。ちなみに、1986年のマイナーチェンジでFJ20型に代えて、CA18型最強のCA18DET型を新搭載。加えてガゼールが消滅し、シルビアに一本化された。




>> ダッシュボードに同系色のステッチが入り、質感の高さを感じるインパネ。ステアリングはアルトワークス純正で、オリジナルは2本スポーク。


>>【画像19枚】運転席の8つの調整機構を備えるマルチアジャスタブルシートなど。電動エア式のサイド&ランバーサポートを備え、ヘッドレストは前後調整も可能だ



>> HKS製の電気式ブーストコントローラー「EVCⅡ」でブーストを制御。現在は第6世代まで進化した本商品だが、これは1994年に発売された懐かしのアイテム。





>> FJ20型搭載車は5速MTのみ。この個体は、センターコンソールにオートゲージ製の追加メーターをインストール。


1984年式 日産 シルビア ハッチバック ターボ RS-X(S12)

SPECIFICATION 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4430×1660×1330
ホイールベース(mm)  2425
トレッド前/後(mm) 1400 / 1425
車両重量(kg)  1170
エンジン型式  FJ20ET型
エンジン種類 直列4気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 1990
ボア×ストローク(mm) 89.0×80.0
圧縮比 8.0:1
最高出力(ps / rpm) 190 / 6400
最大トルク(kg-m / rpm) 23.0 / 4800
変速比 1速 3.321 / 2速 1.902 / 3速 1.308 / 4速 1.000 / 5速 0.838 / 後退 3.382
最終減速比 3.900
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット / セミトレーリングアーム
ブレーキ ベンチレーテッドディスク / ディスク
タイヤ 195 / 60R15(前後とも)
発売当時価格 252.0万円



【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年 1月号 vol.33
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1984年式 日産 シルビア ハッチバック ターボ RS-X(全3記事)

関連記事:我が青春のリトラクタブル

関連記事: シルビア




【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : NOBUTAKA KOREMOTO/是本信高

RECOMMENDED

RELATED

RANKING