DOHCターボの白い稲妻【1】大幅に向上したCd値! ハッチバックでは0.42から0.34へ| 1984年式 日産 シルビア ハッチバック ターボ RS-X|我が青春のリトラクタブル

歴代シルビアのなかでリトラクタブルを採用したのはS12のみ。グリルデザインでガゼールと差別化されており、取材車両は後期純正のリップスポイラーを装着。FJ20型搭載車は、エンジン高の関係でボンネット上にフードバルジを設置。ダミーの開口部に貼ってあるロゴは、カッティングシートでオリジナルを再現したオーナーの力作。世にも珍しいリトラクタブルヘッドライト+ワイパー。世界初の機構だ

       
我が青春のリトラクタブル  DOHCターボを手に入れ、スポーツ性を高めた白い稲妻

【 1984年式 日産 シルビア ハッチバック ターボ RS-X Vol.1】

 SP310フェアレディとシャシーを共有する初代、ロータリーエンジンを搭載する予定だった2代目、WRCでも活躍した3代目と、どの世代においても注目すべきトピックスがシルビアにはある。本誌読者の場合、先に触れた3代目や爆発的なヒットを記録した5代目のイメージが強いかもしれないが、S12と呼ばれる4代目も、じつに印象深いクルマと言えるだろう。

 S12がデビューしたのは1983年のこと。初代からのスペシャリティー路線を継承しながら、よりスポーティー性やファション性を強く打ち出すことを念頭に開発された。スタイリングは空力性能を考慮したもので、低いノーズにシルビア初のリトラクタブルヘッドライトを組み合わせた強いウエッジシェイプのボディラインが特徴。Cd値は先代と比較して、ハッチバックが0.42から0.34へ、クーペが0.47から0.36へと大幅に向上。この数値を見ただけでも、いかに空力性能の向上に力を注いだかがわかるだろう。

>>【画像19枚】190psを発揮するFJ20ET型。DR30と型式は同じだが、サージタンクの形状が異なり、S12にはインタークーラーも付かないエンジンなど



>> リトラクタブル車の場合ポップアップすると不自然な車両も多いが、S12はラリー仕様のイメージもあるためか、それほど違和感はない。





>> FJ20型搭載車は、エンジン高の関係でボンネット上にフードバルジを設置。ダミーの開口部に貼ってあるロゴは、カッティングシートでオリジナルを再現したオーナーの力作。






>> ハッチバックのサンルーフは脱着のほかにチルトアップも可能。劣化したウェザーストリップは、輸出仕様のダットサン・トラックのものを流用している。





>> テールランプはガゼールと異なり、6分割されているのが特徴。グレード名のデカールもオーナーの手によるもの。


1984年式 日産 シルビア ハッチバック ターボ RS-X(S12)


SPECIFICATION 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4430×1660×1330
ホイールベース(mm)  2425
トレッド前/後(mm) 1400 / 1425
車両重量(kg)  1170
エンジン型式  FJ20ET型
エンジン種類 直列4気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 1990
ボア×ストローク(mm) 89.0×80.0
圧縮比 8.0:1
最高出力(ps / rpm) 190 / 6400
最大トルク(kg-m / rpm) 23.0 / 4800
変速比 1速 3.321 / 2速 1.902 / 3速 1.308 / 4速 1.000 / 5速 0.838 / 後退 3.382
最終減速比 3.900
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット / セミトレーリングアーム
ブレーキ ベンチレーテッドディスク / ディスク
タイヤ 195 / 60R15(前後とも)
発売当時価格 252.0万円


【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年 1月号 vol.33
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1984年式 日産 シルビア ハッチバック ターボ RS-X(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : NOBUTAKA KOREMOTO/是本信高

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