オーナーの思いが引き寄せた。ごく短期間のみ生産された希少個体A-S30Z|1975年式 日産 フェアレディZ|Zの名を残すもの

ノーマルフェイスにフォグランプが取り付けられ、より精かんな印象が強調されているフロントマスク

       
今回のクルマを改めて見ると、エンジンルームにあるエアクリーナーボックスの位置がラジエーターの前に配置されているのが分かる。キャブレター仕様はエアクリーナーボックスが内側に配置されているのだ。後期モデル同様にマフラー形状が大きく変わり、排ガス規制適合車であることが分かる。
フェアレディZはそのクルマとしての特性から、オリジナル状態を維持しているクルマも少なく、今回のような希少性のある個体が当時の姿で残っていることはとてもまれだ。

>>インジェクションモデルの最大の特徴がラジエーター前に青いエアクリーナーボックスが配置されていること。ラジエーターは高機能タイプに変換されている。
すべての画像を見る

「フェアレディZはいじってあるクルマが多いので、私はオリジナルにこだわっていました。何年も探しましたが、ここまでのクルマに出合うことはありませんでした」とオーナーは語る。
クルマを手に入れてからはホイールとタイヤを交換。ホイールは当時のフェアレディZ432が履いていたマグネシウムホイールを模した復刻モデル。タイヤは当時のパターンを再現したものを履かせている。手をかけるのはこれで一旦終了。あとは現状を維持し、オリジナル状態で残していくだけだという。水洗いはせず、雨の日は走行しない、とその思いは徹底している。

>>ノーマル状態を当時の美しさのままキープした室内空間。ダッシュボード、シート生地、シフトカバーなど、新車のごとく光り輝いている。

text : HIDEO KOBAYASHI/小林秀雄 photo : ISAO YATSUI/谷井 功 

RECOMMENDED

RELATED

RANKING