「とくに気をつけているのは屋根保管して雨に濡らさないこと」|1994年式 ホンダ NSX Vol.3

F1テクノロジーが集約された、世界に誇る和製スーパースポーツ。

       
REカーとライバルたち【1994年式 ホンダ NSX Vol.3】

ホンダスポーツの象徴、NSX

【1】【2】から続く


 当然のことながら開発はトライ&エラーの繰り返しで、その期間は6年半にもおよんだ。そして、ニュルブルクリンクを舞台に鍛え上げられたNSXは、1990年9月についに発表。日本初のスーパーカーは、高い運動性能と革新的な技術で世界的に高く評価された。その後、1992年には軽量化とレーシングカーのチューニング理論を応用したピュアスポーツモデルとして「タイプR」を投入。スポーツカーの最高峰に君臨した。このタイプRはインテグラ、シビックへと拡大され、ホンダの代名詞的な存在にまで成長。NSXはホンダスポーツの象徴として、世界中から注目され、その名を歴史に刻んだのだった。

状態維持の秘けつはわが子のように大切に/OWNER’S VOICE

「NSXがデビューした時から魅力を感じてました。所有するのが夢でした」。そう語るオーナー。そんなオーナーが念願のNSXを購入したのは約7年前。希望の前期型でカイザーシルバーのボディカラーが決め手だったという。購入時にはクルマを傷めない運転の仕方や扱い方、革シートの保護方法など、さまざまなことを教えてもらったそうで、以来、細心の注意を払って扱っている。

「とくに気をつけているのは屋根保管して雨に濡らさないこと。また、革シートですから湿気には注意していて、室内には湿気取りの乾燥剤を置いてます」とオーナー。極上コンディションはこうして維持されていたのだ。また、購入後はほとんど手を加えておらず、アルミホイール以外の各部の変更はすべて前オーナーのままだそうだ。

 最後に「国産車ですがオーラがあるクルマ。最近はこの型も珍しく、パーキングでは注目されます」と、わが子を誇らしく思う親のように語った。



イグニッションキーはチタン製のものが奢られた。




カイザーシルバーのボディカラーがお気に入りのポイント。「この色をずっと探してました」とオーナー。


人間工学に基づいてレイアウトされたコクピットなど【写真20枚】


1994年式 ホンダ NSX(NA1)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4430×1810×1170
ホイールベース(mm) 2530
トレッド前/後(mm) 1510/1530
車両重量(kg) 1350
エンジン型式 C30A型
エンジン種類 V型6気筒DOHC
総排気量(cc) 2977
ボア×ストローク(mm) 90.0×78.0
圧縮比 10.2:1
最高出力(ps/rpm) 280/7300
最大トルク(kg-m/rpm) 30.0/5400
変速比 1速 3.071/2速 1.952/3速 1.400/4速 1.033/5速 0.771/後退 3.186
最終減速比 4.062
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション ダブルウイッシュボーン(前後とも)
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ前・後 205/50ZR15・225/50ZR16
発売当時価格 830.7万円


初出:ハチマルヒーロー 2013年11月号 Vol.23(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1994年式 ホンダ NSX(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ  photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井 元輔(サルーテ)

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