プリンスファン垂涎! 櫻井眞一郎直系のオーテックが手掛けた最後の「正統」なホーミー|1996年式 日産 ホーミーコーチ スーパーロング GL-L【2】

旧車専門店 バラクーダの飯田代表とホーミーコーチ

【1】から続く

1986年から1999年まで販売されたE24は、走行性能の高さと、高級感あふれるラインナップと言った、明確な個性で人気を博した。現代に続く高級ミニバンの指標を作った1台と言えるだろう。

【ワンボックスパラダイス 1996年式 日産 ホーミー コーチ スーパーロング GL-L vol.2】

 この個体は後期ホーミーコーチのスーパーロング・ハイルーフ仕様で、型式は3L・V6エンジンを搭載するロイヤルと同じAEGE24。だが、グレードはGL-L。当時のカタログをひっくり返しても、この仕様はカタログのどこにも載っていない。それもそのはず、これはコーチのバリエーションのひとつでありながら、タクシー/レンタカー車としてオーテックが架装する特装車。ただし、ここが重要なポイントとなるのだが、この個体は「個人自家用」という車歴の希少車なのだ。

「これは相当マニア受けする個体です。プリンス自動車時代に初代が誕生したホーミーで、そのプリンス自動車出身の櫻井眞一郎さんが初代社長に就任したオーテックが架装を手がけている。つまり、プリンスマニアにはたまらないでしょうね。ホーミーの名前はこの世代でなくなってしまいますから、最後の『正統』な血筋のホーミーなんですよ」とバラクーダの飯田さん。このようなファンの琴線に触れるクルマを用意できるのもバラクーダならではだ。
【画像12枚】搭載エンジンは3LのVG30E型で、トランスミッションはフルレンジ電子制御4速AT。シフトレバーの形状が中期モデル以降で変わっている



>>中期にインパネまわりのデザインを変更。この個体はGTクルーズSの内装と同じ仕様になっている。



>>4列シートで2-2-3-3レイアウトの10人乗り。2列めは回転対座機能が付き、3列目左側は折りたたみ式の補助席となる。


OWNER’S VOICE


「E24はディーゼル車がメインなので、ガソリン車の個体は少ないのがネック。ですが、豊富にあるディーゼル車のパーツを流用できる部分もあるので、個体を購入後に仕上げていくことも可能です」とバラクーダの代表。裏を返せば、首都圏や愛知、大阪などのディーゼル規制地域外であれば、より乗りやすくて維持もしやすいというわけだ。E24ライフのハードルはそれほど高くない!



主要諸元 Specifications
96年式 ホーミーコーチ スーパーロング GL-L

全長×全幅×全高(mm) 5045×1690×2240
ホイールベース(mm) 2645
トレッド前/後(mm) 1440/1405
車両重量(kg) 1860
エンジン型式 VG30E型
エンジン種類 V型6気筒SOHC
総排気量(cc) 2960
ボア×ストローク(mm) 87.0×83.0
最高出力(ps/rpm) 155/5200
最大トルク(kg-m/rpm) 25.0/3200
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン/リジッドリーフ
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/リーディングトレーリング
タイヤ 205/65R15(前後とも)

【2】へ続く

1996年式 日産 ホーミー コーチ スーパーロング GL-L(全2記事)
初出:ハチマルヒーロー 2017年5月号 Vol.41

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

関連記事:ワンボックスパラダイス

TEXT:Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO:AKIO HIRANO/平野陽

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