「特別なクルマだと知って乗るのが怖くなってきました…」バラクーダにきれいに仕上げてもらい大切に乗り続けると語る|1989年式 日産 キャラバンコーチ リムジン エグゼクティブオフィス【3】

これが1989年の東京モーターショーに出品されたコンセプトカー、「キャラバンコーチ リムジン エグゼクティブオフィス」。この写真をもとに、バラクーダ代表が外装を作り上げた

【2】から続く

オーナーのキャラバンコーチには不可解な点がいくつかある。市場には出回らない車台番号、ボディカラー、そして壁側についている「何か」の跡。そして判明したことは1989年の東京モーターショーに出品されたコンセプトカーであるということである。

【ワンボックパラダイス 1989年式 日産 キャラバン コーチ リムジン エグゼクティブオフィス vol.3】

「とにかく資料がなくて、どのような仕様なのかハッキリ分からなかったのですが、当時の写真などをもとに、ここまで仕上げました」とバラクーダ代表飯田さん。外装は完全に再現、室内も傷んだ個所を修復して色を合わせるなど、可能なかぎりコンセプトカーに近づけている。「いつかショーモデルのシートを再現したいですね」とオーナーは語った。

 最後に、E24キャラバン&ホーミー前期モデルの概要をザッと解説。86年にデビューしたE24は、パワーユニットをE23からキャリーオーバーし、最上級グレードにシルクロードを据えた。2年後の88年に30E型の3L・V6とTD27T型の2.7L直列4気筒ディーゼルターボを搭載するGTシリーズを追加。ワンボックスにも走りの良さを付加。シルクロードを廃止した。
【画像20枚】ボディカラーはカラートリム「5K9」のグリーン×グリニッシュシルバーの2トーンで塗装。このカラーは中期(90年のマイナーチェンジ)から設定された色。ボディサイドのゴールドストライプもコンセプトカーにならったものだ



>>インパネはGTリムジン純正だが、前期にこのカラーリングはない。通常はブルーまたはレッドとなる。ちなみに、中期でインパネ周りを曲線基調のデザインに一新している。


OWNER’S VOICE

これまでに乗ってきたキャラバンは、E20が1台、E23が1台、E24が2台で、今回の取材車両ともう1台所有するE24ロイヤルを加えると、キャラバン歴は6台という、人生をキャラバンに捧げているオーナー。この個体については「普通に乗っていて、長期間放置をしてしまいましたが、特別なクルマだと知って乗るのが怖くなってきました…。ここまできれいに仕上げてもらったので大事にします」と語る。



主要諸元 specifications
1989年式 日産 キャラバン コーチ リムジン エグゼクティブオフィス


全長×全幅×全高(mm) 4520×1690×1945
ホイールベース(mm) 2375
トレッド前/後(mm) 1450/1415
車両重量(kg) 1840
エンジン型式 VG30E型
エンジン種類 V型6気筒SOHC
総排気量(cc) 2960
ボア×ストローク(mm) 87.0×83.0
最高出力(ps/rpm) 155/5200
最大トルク(kg-m/rpm) 25.0/3200
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン/リジッドリーフ
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/リーディングトレーリング
タイヤ 205/65R15(前後とも)
※スペックはすべてGTリムジンのもの。

【1】【2】から続く

1989年式 日産 キャラバン コーチ リムジン エグゼクティブオフィス(全3記事)
初出:ハチマルヒーロー 2017年5月号 Vol.41

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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TEXT:Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO:AKIO HIRANO/平野陽

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