より原作に近しいスペックに近づき、着々と完成に近づく秋山号! AE86レビン完成形まであと少し|進化する「頭文字D」レプリカ vol.7【3】

ウイング一体型のリアゲートは、原作に忠実に鍵穴もスムージングした

【2】から続く

秋山渉のマシン・AE86レビンの忠実に再現した実車を完成させるには、たくさんのレアパーツをいい状態で見つけなければいけないが、カーランド得知代表は着々と集めていった。なかでもとてもめずらしいエンジン・4A-GZE型も見つけたが、設置構造が原作に描かれていなかった。

【進化する「頭文字D」レプリカ vol.7 秋山の心臓 vol.3】

 以前は4A‐G型ターボに乗っていた秋山。拓海とのバトルで後塵を拝し、さらに運悪くエンジンブロー。必勝を期して、より実戦向きのS/Cにコンバートした思惑はターボラグを嫌ってのことだが、あえてインタークーラーレスにしたのは、少しでも重量増を抑えるために他ならない。吸気温度が高くなることによるパワーロスも、秋山のホームである埼玉の峠に特化したバトルスペシャルであれば、数ヒートだけを最高のコンディションで走ることさえできれば許される範ちゅうなのだろう。リスクをもいとわない秋山の姿勢に、並みならぬ拓海への対抗心を感じてやまない。

 そんな秋山が求めるであろうパワーフィールを仮想しながら得知代表がチョイスしたのは、大径プーリーと256度のハイカム。高回転の伸びを重視しつつ、ノーマルECUでも制御できる、メンテナンスに過剰に気をつかうことのないチューニング内容だ。

 これにより180psレベルへとパワー&トルクアップしているが、S/Cと補器類を加えた重量増はおよそ20kg。車高を含めたサスペンションのセッティングもNAとは変える必要があるし、トラクションを的確に伝えるバネレート&アライメントセットを詰めていく作業が残されている。

 もちろんレプリカを極めていくことは重要な側面ではあるが、声優・鶴岡聡さんにとっては大事なオーナーカーでもある秋山号。デイリーユースを過ごすための快適装備については、パワステ・エアコンは外すことはできなかった 。

 パワステは、ポンプの設置場所の確保が困難なことから電動パワステ化。エアコンも、パイピングを極力目立たぬように配慮した。4A‐G型エンジンにとって夏場に必須のオイルクーラーについても、原作の雰囲気を壊さないよう取り付けられる。

 ホイールに関しても、原作に忠実な形状を見つけだした。90年代の走り屋風のネオクラシックなディッシュ形状が新鮮に映る。

 プロジェクトスタートから1年が過ぎ、公道を走る姿がリアルに夢想できる段階に到達しつつあるリアル秋山仕様。完成のあかつきには、声優界の師匠である三木眞一郎さんの拓海仕様トレノとのランデブー走行を行う予定だ。

【画像15枚】取材時、実車に装着されていたホイールは、日常使い用。それとは別に、より原作に近いデザインのホイールを入手、レストアも完了した。展示用はこちらのホイールを履く予定



>>Ⓒしげの秀一・講談社|いまだに愛されている『頭文字D』を支えているのは徹底したリアリティ。しげの秀一先生は、実在しないパーツを描くことはないのだが、いかんせん年代が経過しているため実物の捜索は困難を極める。しかしホイールやブースト計、特徴的な形状のロールバーなど、得知代表の執念で発掘に成功した。




>>2016年ハチマルミーティングでは、秋山仕様にかける思いを生トークっでお届けした鶴岡聡さん。俳優だけあって聴衆を引き込む術はさすが。三木さんとの㊙エピソードも開陳、会場をわかせていた。


【1】【2】から続く

初出:ハチマルヒーロー 2017年3月号 Vol.40
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

進化する「頭文字D」レプリカ vol.7(全3記事)

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TEXT:KIYOSHI HATAZAWA/畑澤清志 PHOTO:MINAI HIROTAKA/南井浩孝

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