S500とは異なるフェイスを持って登場したエスロク|1965年式 ホンダS600【2】風と共に

フロントフードに取り付けられたエンブレム。赤のボディには白のエンブレム、白のボディには赤のエンブレムが取り付けられている

【1】から続く

2輪で世界を圧巻してきたホンダが、遂に1960年代初頭に4輪メーカーに参入。ホンダ初の4論自動車の人気シリーズが、Sシリーズである。この記事では「ホンダS600」のスペックを紹介する。

【軽快に回るエンジンにホンダを感じて 1965年式 ホンダS600 vol.2】

 62年にモーターショーでお披露目されたスポーツ500から、Sシリーズの基本的なデザインは変更されていない。英国風オープンカーをイメージさせながらも、やさしい曲線を取り込んだスタイリング。そこには、日本らしい美しさが宿っているのだ。  

 そのスタイリッシュなボディに軽快な走りをもたらしたのが、水冷直列4気筒DOHCに4連キャブレターを組み込んだエンジンシステム。等長エキマニが採用され、最高のパワーを引き出すという味付けまでされていた。  

 2輪ではマン島TTレースを制覇するなど、それまでの技術力の蓄積が4輪参入へ大きく貢献したのは言うまでもない。どこか2輪を思わせる作りはホンダらしさでもあった。  

 タコメーターのレッドゾーンは9500rpm以上となっており、2輪仕込みの高回転エンジン。そして、独特のリア駆動方式など、数々の特徴的な作りが、さらにファンをとりこにする。

【画像13枚】【画像13枚】Sシリーズは各排気量でフロント形状が変わっているのが特徴。S500では格子間隔が大きく空いていたが、S600では狭くなっているグリル部分など


>> S500のフェイスはこちらを参照のこと




>>コンパクトなボディにやさしい曲線が組み込まれたボディの意匠が目を引く。スポーツカーらしい低い腰のラインが美しさを際立たせているようだ。



>>リア左側、トランクリッド横に給油口。キーを差し込みロックを外すと、直接タンクにつながる口が開く。トランクリッドのヒンジも特徴的な造形で、リアデザインのアクセントになっている。



1965年式 ホンダS600

全長 3300mm
全幅 1430mm
全高 1200mm
ホイールベース 2000mm
トレッド前/後 1150/1128mm
最低地上高 160mm
室内長 840mm
室内幅 1195mm
室内高 935mm
車内重量 720kg
乗車定員 2名
最高速度 145km/h
登坂能力 sinθ 0.33
最小回転半径 4.3m
エンジン形式 AS285 E型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
総排気量 606cc
ボア×ストローク 54.5×65.0mm
圧縮比 9.5:1
最高出力 57ps/8500rpm
最高トルク 5.2kg-m/5500rpm
トランスミッション型式 前進4段 後退1段 2速以上シンクロメッシュ
変速比 1速3.290/2速2.190/3速1.430/4速1.091/後退3.89
最終減速比 5.88
燃料タンク容量 25L
ステアリング形式 ラックアンドピニオン(15.1)
サスペンション 前/後 ダブルウイッシュボーン・トーションバー/トレーリングアーム・コイル
ブレーキ 前後ともリーディングトレーリング
タイヤ 前後とも5.20-13-4PR
発売当時価格 50.9万円



【3】へ続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2019年10月号 Vol.195

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1965年式 ホンダS600(全3記事)

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