新車以上のピカピカさは狙わず、あえて徹底的に磨き上げた仕上げ|1973年式 日産ローレル セダン2000SGX【3】

サビも多く、凹みや傷もあったが、幸い大きな事故はないようだった

       
【2】から続く

【1973年式 日産 ローレル セダン 2000SGX vol.3】

 今回の撮影車である2000SGXは、1973年10月には初めてのマイナーチェンジを行い、これを機にL26型直列6気筒エンジンを積む2600SGLを仲間に加えている。ローレルは保守的なクルマと見られているが、快適性と安全性に気を配った先進的な設計が光っていた。装備面では、視界を妨げない間欠式セミコンシールドワイパーやチルトステアリング、ELR付き3点式シートベルト、セーフティロックのパワーウインドー、トランクオープナーなど先進機構を積極的に採用。さらに2600SGLでは、偏平のH規格タイヤを標準装備し、世界初の空気圧警告装置もオプション設定していた。

 そんな2代目ローレルで特に人気が高いのは、HTのSGXだが、セダンも味わい深い良質なプレミアムカーだったといえる。中でもラグジュアリー感とスポーティー性を備えたSGXのセダンは希少な存在。そんなセダンSGXを、竹口自動車が徹底的にレストアした。

 その仕上がりは、大衆車とも高級車とも一線を画す「ハイオーナーカー」独特の世界観を、あますところなく今に伝える一台となっている。

【画像38枚】すべての部品を外し、ドンガラにして徹底的に板金仕上げを行ったボディなど。レストアのようす



>>ベースとなったローレルは、SUツインキャブ仕様車としては最終型となる73年式。セダンとしては希少なSGXだったが、決して状態はよくなかった。
 

>>グリルは徹底的に清掃し補修、ペイント。ピカピカになりすぎないような仕上げとしている。ライトベゼルやステー類などユニクロメッキをかければ新車以上にピカピカに仕上げることも可能だが、販売価格を抑えるため、竹口さん自身が徹底的に磨き上げることで価格と仕上がりをバランスさせた。


1973年式 日産 ローレル セダン 2000SGX(HC130)


全長4500mm
全幅1680㎜全高1415mm
ホイールベース2305mm
トレッド前/後1380㎜/1370mm
最低地上高175mm
室内長1850mm
室内幅1380mm
室内高1140mm
車両重量1175kg
乗車定員5名
最高速度175㎞/h
登坂能力tanθ0.47
最小回転半径5.3m
エンジン型式L20型(SUツインキャブ)
エンジン種類水冷直列6気筒SOHC
総排気量1998cc
ボア×ストローク78.0×69.7mm
圧縮比8.6:1
最高出力125ps/6000rpm
最大トルク17.0㎏-m/4400rpm
変速比1速3.321/2速2.077/3速1.308/4速1.000/5速0.864後退3.382
最終減速比4.111
燃料タンク容量60L
ステアリング形式リサーキュレーティングボール式
サスペンション前/後 独立懸架ストラット式/半楕円リーフスプリング式
ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ前後とも6.45-14-4PR
発売当時価格124万2000円


【1】【2】から続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2019年2月号 vol.192
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1973年式 日産 ローレル セダン 2000SGX(全3記事)

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text:Hideaki Kataoka/ 片岡英明 photo:Nobutaka Koremoto/ 是元信高 Cooperation:竹口自動車 

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