Z432とZ432-Rの両方を所有した貴重な経験を持つオーナー｜1972年式 日産 フェアレディZ432-R【3】

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Z432−Rは運転していて本当に楽しい！S20型エンジンの独特なフィーリングが魅力
【1972年式 日産 フェアレディ Z432-R vol.2】

約10年にわたるS30フェアレディＺの歴史の中には、レースでの使用を前提とした特別なモデルが存在した。それがノスタルジックヒーローvol.192号の表紙を飾るフェアレディZ432-Rである。

【画像27枚】Z432とZ432-Rを2台所有するオーナー。機関系も絶好調のZ432-R

オーナーが購入後に行ったのは、キャブレターのオーバーホールやエンジンマウント、ブッシュ類の交換といったメンテナンスが中心。イベントなどの特別な時以外はあまり乗ることもないらしいが、ミッションの入りもよく、振動もないなど、機関系は絶好調だそうだ。オーナーはZ432とZ432-Rの両方を所有した貴重な経験を持つわけだが、乗り比べてみて感じた違いについても聞いてみた。

「やはりZ432-Rの方が不思議と軽やかなんですよね。加速した時やコーナリングの時の軽快感がかなり違うので、運転していて本当に楽しいです。共通している点は、やはりS20型エンジンの独特なフィーリングです。S20型は現代でも十分に通用するエンジンだと思いますよ。これまでR33スカイラインGT-R MISMO 400RやR35GT-R EGOISTなども所有してきました。

昔から日産車の何が好きかといったら、やっぱりエンジンなんですよね。日産が作ってきたエンジンは時代がたっても廃れることがないんです。S20型エンジンも、Z432-Rというクルマも、この先、再び生まれることが決してない存在ですけれど、乗れば現役のクルマのように、本当にいい走りを見せてくれます。これから一生の宝として大事に乗っていきたいですね（笑）」と楽しそうにインタビューにこたえてくれた。


>>本来インパネの左右に備わる送風口を排除し、グローブボックスのフタや灰皿、センタコンソールなども取り除かれた。ステアリングは当時のマッハを装着している。

>>Z432にはヘッドレスト一体型シートが備わるが、Z432-RはFRP製のバケットシートを装備。ヘッドレストは取り外しが可能。運転席には4点式シートベルトが標準で備わる。

>>キャブレターはソレックス40PHHを3連装備。本来はファンネル仕様となっているが、撮影車はK&Nのエアクリーナーを装着。街中を走る時に、異物の侵入を防ぐためだ。

OWNER’S VOICE/往年のレースシーンを思い出させる宝物です

オーナーは、当時からレースも大好きで、船橋サーキットや横浜ドリームランドのジムカーナ場にもたびたび通ったそうだ。富士スピードウェイではオフィシャルとしてポストで旗を振った経験もあるそうだ。「当時のレースシーンは本当に華やかでした。今でいう車中泊のクルマが、ゲート前に夜中から開場待ちでズラッと連なってね（笑）。その頃の熱狂を思い起こさせてくれるZ432-Rは一生の宝物です」



1972年式 日産 フェアレディ Z432-R（PS30-SB）

全長4115mm
全幅1630mm
全高1290mm
ホイールベース2305mm
トレッド前/後1355/1345mm
最低地上高165mm
室内長835mm
室内幅1390mm
室内高1070mm
車両重量960kg
乗車定員2名
0→400m加速15.8秒以下
最高速度210km/h以上
登坂能力tanθ0.462
最小回転半径4.8m
エンジン型式S20型
エンジン種類水冷直列6気筒DOHC
総排気量1989cc
ボア×ストローク82.0×62.8mm
圧縮比9.5:1
最高出力160ps/7000rpm
最大トルク18.0㎏-m/5600rpm
変速比1速2.957/2速1.858/3速1.311/4速1.000/5速0.852/後退2.922
最終減速比4.444
燃料タンク容量100L
ステアリング形式ラックアンドピニオン（ギア比16.4）
サスペンション前/後ともストラット・コイル
ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ前後とも6.95-14-4PR
発売当時価格150万円


初出：ノスタルジックヒーロー 2019年4月号 Vol.192
（記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです）

1972年式 日産 フェアレディ Z432-R（全3記事）

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