「お金をあまりかけたくなかったというのも本音ですね。だからエンジンルームも自分で仕上げたし・・・」|1972年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-X【4】

ホワイトレターのタイヤがレーシーな雰囲気をプラス

       
旧車との付き合い方にもいろいろなスタイルがあるもの。オリジナルにこだわるオーナーもいれば、トコトン速さを追求するひともいる。ここで紹介するオレンジのハコスカは、定番にとららわれず、アメリカンなムードを取り入れて自分流のスタイルを表現した。カスタム界の新進気鋭ショップ「ダディーモーターワークス」のアドバイスを受けながら、ハンドメイドで仕上げた意欲作だ。

【1972年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-X Vol.4】

【3】から続く

 さまざまなジャンルのカーイベントに足を運んだり、SNSをチェックして、いいと思ったアイディアを積極的に取り入れてきたオーナー。インテリアは遊び心あふれる仕上がりで、シフトブーツやバイザーにm&m’S柄の生地をあしらったほか、シフトノブにはビアサーバーのノブを流用。メーカー不明のステアリングもオレンジ×ブラックでアレンジし、アメリカンムードが漂う空間を構築してきている。

「お金をあまりかけたくなかったというのも本音ですね。だからエンジンルームも自分で仕上げたし、頭をひねっていろんなアイデアを盛り込みました。ただ、魅せるだけのショーカーにはしたくなかったので、走ることもしっかりと考えてイジっていますよ」

 車高はかなり低くしているため、オイルパンを擦らないようにとエンジンマウントにブラケットをかませてカサ上げしているのも、そのひとつ。マフラーについても、ダディーモーターワークスの尾頭邦宏代表にフロアに沿う形状のモノを製作してもらい、十分なロードクリアランスを確保した。


>> 【画像30枚】純正だが、オレンジに塗装してアピール度を高めるブレーキなど。フロントの車高調はメーカー不明だ




>> ダッシュボードの割れもなく美しいコンディションを保つインテリアまわり。ステアリングはボディ同色のオレンジにペイントした。なお、エンジンルームのヒューズ類やヘッドライトのリレーなどはすべて室内側の足元へと移設している。





>> アメリカのチョコレート、m&m’s柄の生地を入手し、スプレーのりでサンバイザーに張り込んだ。





>> リアピラー下側にも同様の柄をアクセントにプラス。オーディオにも凝っていて、フロントはナカミチ、リアはキッカーのスピーカーを装備。ヘッドユニットはカロッツェリアをチョイス。



OWNER

フロントから見たときの顔付きが悪そうな所とかが好きで、ずっと前からハコスカにあこがれていました。5年前に手に入れてから大きなトラブルもなく、周りからはアタリエンジンだといわれています。ただL28型ノーマルなので正直なところ、速くはありません。最近はエンジン系もやりたいなぁと思ったりしますが、まあ、壊れてからかな。家族もできて子供も生まれたので、ハコスカは無理のないように大切に乗って現状を維持していきたいですね。


1972年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-X(KGC10)

SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:ボディレストア、オールペイント(オレンジ)、メッキ部分ブラックアウト、エンジンルームワイヤータック&シェイプドベイ
■エンジン:L28型改、P90ヘッド+F54ブロック、エンジンマウントかさ上げ
■吸排気系:ソレックス44PHH、ステンレスタコ足、DADDY製マフラー
■点火系:永井電子機器製MDI、テイラー製プラグコード
■冷却系:アルミ製ラジエーター、ワンオフサブタンク
■燃料系:ニスモ製電磁ポンプ(2基)
■サスペンション:(F)車高調 (R)シルクロード製フルタップショック(AE86用)
■タイヤ:Pinso(F)195/50R15 (R)205/50R16
■ホイール:RSワタナベ(F)15×9.0J (R)16×9.5J
■インテリア:レカロ製SRセミバケットシート

【5】に続く

初出:ノスタルジックスピード vol.022 2019年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-X(全5記事)

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【1】【2】【3】から続く

text : DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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