L28に黒いファンネル! 美しくシンプルに仕上げられたハコスカのエンジンベイ|1972年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-X【2】

オレンジ×ブラックで魅せる究極のハンドメイド仕上げ

       
旧車との付き合い方にもいろいろなスタイルがあるもの。オリジナルにこだわるオーナーもいれば、トコトン速さを追求するひともいる。ここで紹介するオレンジのハコスカは、定番にとららわれず、アメリカンなムードを取り入れて自分流のスタイルを表現した。カスタム界の新進気鋭ショップ「ダディーモーターワークス」のアドバイスを受けながら、ハンドメイドで仕上げた意欲作だ。

【1972年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-X Vol.2】

【1】から続く

 このハコスカの象徴ともいえるのが、美しく仕上げられたエンジンルームだ。搭載されるのはL28型のノーマルで、ソレックス44PHHを組み合わせたスタンダードな仕様ながら、フルチューン顔負けのインパクトを放っている。

 ワイヤータックやシェイプドベイと呼ばれるカスタム手法を取り入れてスッキリ見せているのだが、驚きなのはその大半がハンドメイドだということ。じつはディーラーで整備士をしているというオーナー。ダディーモーターワークスでエンジンを降ろさせてもらい、あとは自宅の軒先で4〜5カ月かけてコツコツと仕上げていった。

 リレーやヒューズ、MDIといった電装品は室内へと移設したほか、バッテリーもトランクへと移動。配線や配管類も目立たないように引き直すなど、ワイヤータックを徹底している。そうして余分なものを排除したのちに、サービスホールやボルト穴はスムージング。ノーマルのボディ形状をイジらずにまとめあげたのもこだわりという。


>> 【画像18枚】L28型に載せ換えられているが詳細は不明というエンジンなど。これに組み合わせるキャブレターはソレックス44PHHだ。ファンネルはブラック塗装し、燃料ラインはワンオフで美しく仕上げる




>> 極限までシンプルを貫いた 美しいエンジンルーム





>> ブレーキとクラッチのマスターシリンダータンクは、ダディーオリジナルのビレッドタンクを使用。ゴールドアルマイト処理されており、クールな仕上がりとなっている。


1972年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-X(KGC10)

SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:ボディレストア、オールペイント(オレンジ)、メッキ部分ブラックアウト、エンジンルームワイヤータック&シェイプドベイ
■エンジン:L28型改、P90ヘッド+F54ブロック、エンジンマウントかさ上げ
■吸排気系:ソレックス44PHH、ステンレスタコ足、DADDY製マフラー
■点火系:永井電子機器製MDI、テイラー製プラグコード
■冷却系:アルミ製ラジエーター、ワンオフサブタンク
■燃料系:ニスモ製電磁ポンプ(2基)
■サスペンション:(F)車高調 (R)シルクロード製フルタップショック(AE86用)
■タイヤ:Pinso(F)195/50R15 (R)205/50R16
■ホイール:RSワタナベ(F)15×9.0J (R)16×9.5J
■インテリア:レカロ製SRセミバケットシート


【3】に続く

初出:ノスタルジックスピード vol.022 2019年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-X(全5記事)

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【1】から続く

text : DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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