このケンメリと一生付き合っていく「今まで通り、これからも雨の日にも普通に使いますよ」｜1975年式 日産 スカイライン 2000 GT-X【3】

【2】より続く

ワンオーナーズヒストリー

【1975年式 日産スカイライン 2000 GT-X vol.3】

当時の姿を今に残す旧車は珍しくない。しかし、すべての機関が正常に作動する旧車は少ない。オーナーが所有するスカイライン2000 GT-Xは、エンジンはもちろん、あらゆる機関が今も現役。1人の、大のクルマ好きが育ててきた。まさに「これぞワンオーナーカー」といえるコンディションだ。

【画像24枚】一生付き合って、後のことはクルマ好きの甥っ子に乗ってもらうつもりだという1975年式 日産スカイライン 2000 GT-X

繊細なカスタムで、手塩にかけてきたという印象だ。しかしオーナーには、このケンメリを手放そうとしていた時期がある。それを踏みとどまらせたのが、トヨタ2000GTに乗る幼ななじみ、布引典久さんとの再会だった。

「布引さんに連れられて、旧車のイベントに参加しているうちに、自分も乗り続けようと思うようになったんです。旧車乗りでないのに旧車のイベントに参加するというのも、なんか妙な気がしたもので……」

それ以降は、このケンメリを手放そうと思ったことは一度もないそうだ。昔はそれほどでもなかった愛車への思いも、どんどん高まる一方だ。旧車ブームの追い風もあってか、最近はケンメリを譲ってほしいという声が寄せられるようになったそうだ。

 「このケンメリを売ってしまうと後悔する気がするので、一生付き合って、後のことは、クルマ好きの甥っ子に乗ってもらうつもりでおります」

　生涯付き合うが、だからといって決してクルマを甘やかさないのが上尾さん流の接し方。「今まで通り、これからも雨の日にも普通に使いますよ」と、オーナーは当たり前のように断言する。


>>15万㎞をノンオーバーホールで走り切り、今も好調のL20型エンジン。オイル交換のペースは年に1回。銘柄は純正で、粘度は5W-30に決めている。

>>アルミホイールは純正オプションの14×5.5J +25に交換。フィンのデザインが大好きで、もう1セット、ストックしているそうだ。

>>エアクリーナーのエレメントも定期的に交換。純正品が製造廃止になると聞き、在庫の3つを購入してストック。

OWNER’S VOICE/今も高速道路ではアクセル全開!

雨の日も普通に使いながら、ノンレストア、ノンオーバーホールで当時の状態を完ぺきにキープする上尾さん。今も高速道路の加速や追い越しでは、アクセル全開で走る。「アクセルさえ積極的に踏んでやれば、まだまだよく走る。今のクルマにも置いてはいかれません。それと、フロントウインドーにワイパーキズが付かないよう気を使って走っています」と上尾さん。現在69歳。パワステなしは少し大変になってきたが、それでも一生付き合うそうだ。

1975年式 日産 スカイライン 2000 GT-X（GC110ATK：フルオートマチック）

全長4460mm
全幅1625mm
全高1395mm
ホイールベース2610mmトレッド前/後1350/1330mm
最低地上高170mm
室内長1790mm
室内幅1355mm
室内高1135mm
車両重量1160kg
乗車定員5名
最高速度170km/h
登坂能力tanθ0.46
最小回転半径5.2m
エンジン型式L20型
エンジン種類水冷直列6気筒SOHC
総排気量1998cc
ボア×ストローク78.0×69.7mm
圧縮比8.6:1
最高出力130ps/6000rpm
最大トルク17.0kg-m/4400rpm
変速比（3速AT）1速2.458/2速1.458/3速1.000/後退2.182
最終減速比3.900
燃料タンク容量55L
ステアリング形式可変ギア比ボールナット
サスペンション前/後ストラット式独立懸架/セミトレーリングアーム式独立懸架
ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング式
タイヤ前後とも6.45S-14-4PR
発売当時価格99万5000円


【1】【2】より続く


初出：ノスタルジックヒーロー 2019年2月号 Vol.191
（記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです）

1975年式 日産 スカイライン 2000 GT-X（全3記事）

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