走行15万4000km超え。一見ノーマルに見えるが、オーナーの手によってカスタムされているケンメリ|1975年式 日産 スカイライン 2000 GT-X【2】

ウッドを多用するGT-Xグレードの高級感をしっかりとキープしたコクピット。オプションのエアコンの効きも当時のまま。夏場のドライブも快適に楽しめる。

       

【1】より続く

ワンオーナーズヒストリー

当時の姿を今に残す旧車は珍しくない。しかし、すべての機関が正常に作動する旧車は少ない。オーナーが所有するスカイライン2000 GT-Xは、エンジンはもちろん、あらゆる機関が今も現役。1人の、大のクルマ好きが育ててきた。まさに「これぞワンオーナーカー」といえるコンディションだ。

【1975年式 日産スカイライン 2000 GT-X vol.2】


【画像24枚】メカが大好きというオーナーがDIYを施した1975年式 日産スカイライン 2000 GT-X

オーナーのはメカ好きで、36年間あまり自動車整備工場に入れたことはない。その当時としては珍しく、クルマ趣味が派手な改造に向かわなかったことも、オリジナルの美しい姿を保つためには幸いした。ただし、実は一見ノーマルに見えるケンメリだが、オーナー自身の手によっていたるところがカスタムされている。そして、そのいずれもがメーカー発想の「純正然」がコンセプトだ。

例えば、センターコンソールにある4つのLEDは、半ドア警告灯として機能する。電動化されたフェンダーミラーは、コントロールユニットも純正を使い、純正の取り付け位置にセットされている。チョークの引き忘れやデフロスターの切り忘れを告げる警告灯を取り付け、純正では未採用となるトランクルームのランプも取り付けるなど、一足先にアップデートしている。

エンジンルームでは、ディストリビューターとボルテージレギュレーターをフルトラ化。セルモーターへの電圧を安定させるためにオリジナルでリレーを設置したり、ライトの光量を安定させるための配線を引き直すなどの作業を行っている。もちろん、これらも仕上がりは純正然としているのがポイント。リレーも日産純正となるパーツを流用して改良されている。


>>オドメーターは1周半を経過。メーターセンターのLEDランプは、チョークの引き忘れを防止する警告灯として機能させている。


>>ヘッドレストカバーは、長年使っていた、ディーラーオプションのシートカバー(特別仕様)の一部。「これのおかげでシートの状態も昔と変わりません」とオーナー


>>SUキャブの調整も手馴れたもの。調整はなじみのディーラーで、COやHCを測定するためのテスターを借りて行う。

1975年式 日産 スカイライン 2000 GT-X(GC110ATK:フルオートマチック)


全長4460mm
全幅1625mm
全高1395mm
ホイールベース2610mmトレッド前/後1350/1330mm
最低地上高170mm
室内長1790mm
室内幅1355mm
室内高1135mm
車両重量1160kg
乗車定員5名
最高速度170km/h
登坂能力tanθ0.46
最小回転半径5.2m
エンジン型式L20型
エンジン種類水冷直列6気筒SOHC
総排気量1998cc
ボア×ストローク78.0×69.7mm
圧縮比8.6:1
最高出力130ps/6000rpm
最大トルク17.0kg-m/4400rpm
変速比(3速AT)1速2.458/2速1.458/3速1.000/後退2.182
最終減速比3.900
燃料タンク容量55L
ステアリング形式可変ギア比ボールナット
サスペンション前/後ストラット式独立懸架/セミトレーリングアーム式独立懸架
ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング式
タイヤ前後とも6.45S-14-4PR
発売当時価格99万5000円

【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2019年2月号 Vol.191
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1975年式 日産 スカイライン 2000 GT-X(全3記事)

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text: Isao Katsumori(zoo)/勝森勇夫(ズー)photo : Ryota-raw Shimizu(foxx bookes)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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