カムカバーの塗装の劣化状態からも、良好とはいえそうにないエンジンコンディション【9-2】ニッポン名車物語 復活編 第九話

再塗装して完全にお化粧直しする予定のカムカバー

       
前回は、徹底したボディ補修を行うために塗装の完全剥離を行った。そして今回もボディの重要部分といえるロッカーパネルや、サービスボックスの劣化部分を板金塗装している。それと同時に、降ろしてあったエンジンについてオーバーホールのためにパーツのばらし作業も進行。劣化して使えない部分についてはワンオフ製作か、ビンテージカーヨシノのノウハウが生かされる作業=オリジナルを再現したスペシャルパーツを組むこととなる。完璧な状態に再生するための作業が続いている。

【 ニッポン名車物語 復活編 第九話 Vol.2】

【1】から続く

 トヨタ2000GT前期型のボディの補修と同時に行われていたのが、エンジンのばらし作業。状態はカムカバーの塗装の劣化状態からすると、コンディション良好ということではないようだ。もちろん1967年式だから取材時の2017年でちょうど50年が経過していたわけだし、水没による影響も考えるとオーバーホールする以外には考えられない状況。

 そこでビンテージカーヨシノのスタッフはパーツ外しを行いながら、洗浄と細かく精度チェックを行っている。規定範囲に収まっていないパーツは、交換かあるいはワンオフ製作する必要があるため、寸法や調整可能な状態かなど、劣化状態を確認している。もちろん、エンジンオーバーホールの基本ともいえる、オーバーサイズピストンのインストールや面研などを施して、精度を高めていくことになる予定だ。

>> 【画像23枚】クランクシャフト以外は使用しないことになった、ばらしたエンジンのピストン、コンロッド、クランクシャフトなど




>> ブロック下側部分は、水没によって泥などがたまっていた。それらを取り除いた状態。





>> エンジンヘッド部分で、カムやバルブなどは外されている。バルブガイドやシートリングはワンオフ製作する予定。


【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年10月号 vol.183
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

ニッポン名車物語 復活編 第九話(全3記事)

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【1】から続く

photo : NOSTALGIC HERO/編集部

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