トヨタ 2000GT前期型、内部にかなりのサビと腐食があったサイドシルを補修【9-1】ニッポン名車物語 復活編 第九話

ロッカーパネルを剥いだ状態。内部にはサビと腐食が見られた

       
前回は、徹底したボディ補修を行うために塗装の完全剥離を行った。そして今回もボディの重要部分といえるロッカーパネルや、サービスボックスの劣化部分を板金塗装している。それと同時に、降ろしてあったエンジンについてオーバーホールのためにパーツのばらし作業も進行。劣化して使えない部分についてはワンオフ製作か、ビンテージカーヨシノのノウハウが生かされる作業=オリジナルを再現したスペシャルパーツを組むこととなる。完璧な状態に再生するための作業が続いている。

【 ニッポン名車物語 復活編 第九話 Vol.1】

 前回は、トヨタ2000GT前期型の外板塗装の完全剥離について報告した。ケミカル類などは一切使用しない徹底した手作業によるもので、クルマの状況を把握したうえで行っている完璧な作業内容となっていた。

 そして今回は、ボディ関係がロッカーパネルとサービスボックスの板金補修及び下地塗装。そして降ろしてあったエンジンのオーバーホールのために、パーツのばらし作業を行っている。

 まずは、ロッカーパネルについて。シャシーの強度を保つための重要個所となっており、内部にも骨格的な補強部材の設定がある。さすがに特別なスポーツカーだけに、強度確保のための工夫が凝らされている。しかし経年劣化による外板の腐食と内部にサビが出ている状態。これらをしっかり除去した後、サフェーサーを塗装して下地処理。さらに板金して再生している。


>> 【画像23枚】かなりのサビと腐食があるサイドシルや、補修がほぼ終了したサイドシル内部など



サイドシル左側の状態は、外板はもちろん内部にかなりのサビと腐食がある。ボディをしゃんとさせるためには、しっかり補修する必要がある。作業内容はロッカーパネル自体を切断したうえで、サイドシル内部の補修を行っていくことになる。

ロッカーパネルのサビや腐食部分をしっかり板金したうえで、溶接でボディ外板に接合している。今後、外板部分は下地処理をしたうえで、本塗装を施すこととなるはずだ。




サービスボックスは左右に設定されているが、これは右側(運転席側)のバッテリーが収納されるスペース。サビ取りなどがすでに行われており、劣化の具合は分かりづらいと思うが、左奥の紙型が置かれている部分は腐食がひどく、切り取ってある状態。

鉄板を当ててしっかり溶接して、補修されている。もちろん、洗浄と下地処理のサフェーサーも塗布してある状態。細部まで見逃さず、徹底した再生作業をしているのだ。



【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年10月号 vol.183
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

ニッポン名車物語 復活編 第九話(全3記事)

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photo : NOSTALGIC HERO/編集部

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