「実はアフターのスラッシュカットのマフラーは、親父が最初に作ったんですよ」【3】1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R

数々の栄光を打ち立てたGT-Rだが、生産から40年以上もたつクルマを維持するには技術と知識が必要だ。
そんな全国のGT-Rオーナーが一目置く、匠と呼ばれたのがシライシエンジニアリングの白石茂樹さん。
残念ながら2016年10月に亡くなったが、白石さんが手がけたGT-Rは、今もなお輝き続ける。

【 1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R　Vol.3】

【2】から続く

　シライシエンジニアリング（SE）でのレストアは、ボディのフルストリップから補修、塗装まで約2年。エンジンは、ノーマル仕様のフルオーバーホールで、すべてバランス取りされている。また、点火系にはMDIを使うことで、エンジンの始動性もよくしてもらっている。吸排気は、現在は純正ソレックスだが、ウエーバーに交換する予定で、それに合わせてタコ足もSE製に交換する。マフラーはすでにSE製が装着されていて、出口のスラッシュカットがお気に入りだ。

「実はアフターのスラッシュカットのマフラーは、親父が最初に作ったんですよ」と白石慎弥さん。GT‐R用にいろいろ試作した結果、このスラッシュカットが一番しっくりきたそうだ。

「SEのGT‐Rでは、不安やトラブルはないです。以前は、ヘッドライトやテールが点かなかったり、わだちでハンドルを取られたり怖い思いもしましたが、今は一切不安はありません」とオーナー。10年かけてようやくたどり着いたSEによるGT‐Rは、うわさ通り完ぺきな1台だった。今後のメンテなどは、跡を継いだ慎弥さんに頼りながら、生涯大切にしていくそうだ。


>>【画像18枚】「これやったら腹は立ちませんなぁ」という白石さんの言葉通り、完ぺきなプロポーションを見せるGT-R。そのリアビューや、SE製のスラッシュカット仕様でφ50mmのフルデュアルタイプとなるマフラーなど




>> オプション設定のラジオが未装着で、「NISSAN」のロゴ入りフタでカバーされている。センターコンソールの木目模様も美しく、ダッシュの割れもない抜群の状態。





>> 運転席はダッツンバケットで、助手席は純正バケットの組み合わせ。ヘッドレスト、2点式シートベルトも当時はオプションだった。

OWNER’S VOICE／3年待ったかいがあります。生涯大事にしますよ！

「2007年10月頃から10年12月の間で、ほとんど全部手を入れてもらいました。白石さんには、GT-Rや運転のことだけでなく、昔のレースの話、ガレージを建てる時にアドバイスもしてもらいました。GT-Rに乗れているのは、白石さんをはじめ、多くの方々とのご縁とご協力があったからです」とオーナー。奥さまも協力的で、息子さんもお気に入りだ。

1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R

Specification 諸元
全長 4460mm
全幅 1665mm
全高 1370mm
ホイールベース 2610mm
トレッド前/後 1370 / 1365mm
最低地上高 160mm
室内長 1655mm
室内幅 1325mm
室内高 1110mm
車両重量 1100kg
乗車定員 5名
最高速度 200km / h
登坂能力tanθ 0.58
最小回転半径 5.2m
エンジン型式 S20型
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC
総排気量 1989cc
ボア×ストローク 82.0×62.8mm
圧縮比 9.5:1
最高出力 160ps / 7000rpm
最大トルク 18.0kg-m / 5600rpm
変速比1速 2.957 / 2速 1.858 / 3速 1.311 / 4速 1.000 / 5速 0.852 / 後退 2.922
最終減速比 4.444
燃料タンク容量 100L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール
サスペンション 前/後 コイルスプリング式独立懸架ストラット / コイルスプリング式独立懸架セミトレーリングアーム
ブレーキ 前/後 ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 6.45H-14-4PR
発売当時価格 154万円



初出：ノスタルジックヒーロー 2018年2月号 Vol.185
（記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです）

1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R（全3記事）

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