速いハコスカGT‐Rへ【1】「これなら自由にチューニングできるし、遠慮なく乗れると思ったんです」|1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R|大人がたしなむ旧車チューンド

GT-Rらしさや雰囲気を残しつつ S20型が収まるエンジンルームをモダナイズ!

       

大人がたしなむ旧車チューンド

好きな旧車を自分好みにチューンナップするのは楽しいもの。サーキット走行やドラッグレースでのタイムを競うような、ハイチューンを極めるのもいい。一方で、気が向いた時に、ストリートやワインディング、高速道路を走らせて楽しむのがメインとなる旧車チューンドのスタイルにも注目しておきたい。旧車らしさやエキゾーストサウンドを楽しみながら、お気に入りのルートをドライブするのが似合いそうな、そんな大人な旧車チューンドをここでは紹介していこう。

GT-Rらしさや雰囲気を残しつつ
S20型が収まるエンジンルームをモダナイズ!

このハコスカRのオーナーは大のモータースポーツフリーク。アルファロメオ155でアルファチャレンジに参戦し、岡山国際サーキットを1分52秒台で走る実力を持つ。そんなオーナーには、希少なハコスカRも、購入目的はやはり走り。あこがれの6気筒24バルブのパワーとサウンドを、大人なファインチューンで味わい尽くす。

【 1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R Vol.1】

 皮肉なもので、ハコスカもケンメリも、R仕様より速い本物のGT‐Rはめったにいない。R仕様のユーザーはエンジンも足まわりもチューニングしているユーザーが大半。それに引き換え本物のR乗りは、速さよりもRであることを重視する、いわゆるオリジナル至上主義者がほとんど。たとえそうではなくても、Rがここまで高騰したこのご時世、オリジナルに手を加える勇気のあるRユーザーなどまずいまい。

>>【画像32枚】手の入った吸排気まわり。キャブレターはウエーバー45DCOE125で、新調したカールファンネルはURS製の75mmタイプ。エキマニはステンレスφ42.7mmの等長タイプとなっている


 岡山市在住のオーナーは、本物のハコスカGT‐Rをファインチューニングして楽しむ希少なR乗りだ。そんなオーナーも、「このクルマに、オリジナルの状態で出合っていれば、自分も手を加えることをためらったかもしれません」と購入当時を振り返る。アルファロメオのワンメイクレースを楽しむほど走りが好きなオーナーにとって、出合ったハコスカRが、すでにけっこう手を加えられていたことが、逆に購入を後押しすることになった。

「ボディカラーがオリジナルのシルバーから白に塗り替えられていて、しかも、全体的にかなりくたびれた印象でした。ま、普通じゃ絶対敬遠されるRです。ただ自分は、逆にこれなら自由にチューニングできるし、遠慮なく乗れると思ったんです」






1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R(KPGC10)

SPECIFICATION 諸元
■エクステリア:ボディレストア
■エンジン:S20型ノーマルスペックOH(圧縮比10.8)、亀有製φ83mm鍛造ピストン、強化バルブスプリング、JUN製カムシャフト(288度)
■吸気系:ウエーバー45DCOE125、URS製カールファンネル(75mm)
■点火系:永井電子機器製MDI
■排気系:φ42.7mm等長ステンレスタコ足&ステンレスマフラー
■冷却系:純正ラジエーター3層加工
■燃料系:ニスモ製燃料ポンプ
■駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ(Aタイプ)/スーパーロックLSD
■ブレーキ:R32タイプMキャリパー
■サスペンション:ビルズ製車高調
■タイヤ:TOYOプロクセスT1R(F)205/50R15 (R)225/50R15
■ホイール:RSワタナベ8スポーク(F)15×8.5J (R)15×10J



【2】に続く

初出:ノスタルジックスピード vol.019 2019年2月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R(全3記事)


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text:KEISHI WATANABE/渡辺圭史 photo:AKIO HIRANO/平野 陽、SATOSHI KAMIMURA/神村聖

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