最初のGX‐5【2】2年をかけてレストアされたボディ。絶版の貴重なヘッドカバー。ノーマル風外観のフルチューンB110｜日産 サニー クーペ GX-5

最初のGX‐5

かろうじてエンジンがかかるほど、程度が悪かったB110サニークーペGX-5。パーツ取りの危機を乗り越え、モディファイされたエンジンは、小排気量エンジンならではの高回転まで回す楽しみを味わうため、A12型をベースにチューンナップ。ダウンドラフト方式のFCRキャブレターで、吸気を燃焼室へダイレクトに送り込むことで、いざとなれば10000rpm以上が可能になっているという！

【日産 サニー クーペ GX-5　Vol.2】

【1】から続く

　こうして2014年から2年をかけてレストアされたボディは、ボンネット、フェンダー、トランクリッドにFRPを使って軽量化。またメッキ加工されているため一見気付かないかもしれないが、前後バンパーもFRPに変更している。またドアパネル後部のダクトを取り外しスムージングすることで、自分なりのオリジナリティを打ち出すとともに、すっきりとシンプルなスタイルを演出している。

　B110の純正エンジンはA12型が搭載される。ただし、パワーやトルクを追求するなら、より排気量の大きなA15型にスワップするという方法もある。しかし小排気量エンジンならではの、高回転まで回す楽しみを味わうため、A12型ブロックをベースにピットロードのφ76.85mm鍛造ピストンを投入。フルカウンタークランクや当時もののチタンコンロッド、東名の80度カムを組み込む。キャブレターにはダウンドラフトのFCR41を装着することで、アクセルと回転数が直結した、まるでバイクのようなレスポンスを実現。しかも、10000rpmオーバーの常用が可能で、もはやレーシングエンジン級のスペックを誇る。


>>【画像36枚】排気量アップや高回転での使用に備え、大容量のアルミ2層式へと変更されたラジエーターなど。L型などと比べると、非常にコンパクトに感じてしまうが、猛暑の今年でも全く問題なし



>> バイク業界ではレーシングキャブとして定評のケイヒンFCR41のダウンドラフトタイプ。専用のインマニはストレートな形状で、吸気効率を追求。アクセルと直結したかのようなレスポンスと10000rpmオーバーを実現。






>> 赤いファンネルのFCRキャブ、プラグコードが印象的なエンジンルーム。





>> オイルフィルター下から伸びる配管はオイルクーラー用。コアには定評のあるアールズをチョイスし、ラジエーターの右サイドに設置されている。




>> 15年かけて集めた貴重なパーツを組み込んだ、ノーマル風外観のフルチューンB110。

日産 サニー クーペ GX-5（B110）

SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:ボディフルレストア、FRP製F/Rバンパー（メッキ仕様）
■エンジン: A12型改1298cc仕様、ピットロード製ヘッド（ステージⅢ）、東名カム（80度）、チタン製バルブ（INφ40mm/EXφ38mm、ステム径φ7mm、ピットロード製φ76.85mm鍛造ピストン、日産（ニスモ）製チタンコンロッド、フルカウンタークランク、ニスモ製オイルポンプ
■吸気系:FCR 41、専用インマニ
■排気系:ワープ製タコ足/マフラー
■点火系:永井電子機器製ウルトラMDI
■冷却系:2層アルミラジエーター、アールズ製オイルクーラー
■燃料系:電磁式燃料ポンプ（ミツバ製+ニスモ）、コレクタータンク、リターン配管に燃圧調整バルブ
■駆動系:ニスモ製クラッチ、ピットロード製フライホイール、ニスモ製オプションミッション（56Aフルクロス）、B310用H150デフ（ホーシングH145用、ファイナル3.9）
■サスペンション:（F）S130Z用ストラット加工車高調+ニスモ製ショック、ピットロードAアーム、ニスモ製スタビ（R）コニ製ショック
■ブレーキ:（F）MK63キャリパー+φ260mmローター （R）ベレG用
アルフィンドラム、S130Z用ブレーキマスター（7/8）
■インテリア:ナルディ製ステアリング、オートルック製バケットシート（右）、ポップアップシートレール、スミス製機械式タコメーター、亀有製燃圧計、PLX製A/F計、日本精機Defi追加メーター（油温、油圧、水温）、バッテリー移設（キルスイッチ）
■タイヤ:ヨコハマ（F）アドバンA050 175/60R13 （R）アドバンA042 185/60R13
■ホイール:（F）フラルコ13×6J （R）トスコ13×7J



【3】に続く

初出：ノスタルジックスピード 2018年11月号 vol.018
（記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです）

日産 サニー クーペ GX-5（全3記事）

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