RE雨宮がその黎明期、日曜休みだったワケ「ロータリー車は走ってなんぼでしょ。スグ壊れちゃうようじゃ仕方がないでしょう」|RE雨宮 コスモ スポーツ 13B NA Vol.6

ハイパフォーマンス・コスモスポーツ その名を欲しいままにする1台

       
【RE雨宮 雨宮勇美代表インタビュー】

RE雨宮がそのロータリーチューンドヒストリーで初めてコスモスポーツをモディファイした! その歴史的な1台は、実に雨さんらしい、マツダ・ロータリースポーツのパーツを流用しまくったハイブリッドマシンだった。今回は、その雨さんこと、RE雨宮 雨宮勇美代表の製作したエアロ&チューニングカーたちをレアな写真とともにかいつまんで紹介する。

【RE雨宮 コスモ スポーツ 13B NA Vol.6 RE雨宮における歴代チューニングカーについて】

【5】から続く

「うちはずっと日曜は休みだったんですよ。ロータリーエンジンは週末に壊しても月曜には直せちゃう。レシプロはどうしたってボーリング屋さんに出すものがあるから、そうはいかないでしょう。日曜は開いてればお客さんがたくさん来ちゃうし、閉めていればクルマを直す時間が取れるから」とまっすぐな瞳で笑う。
 そうやって蓄積されてきたノウハウがフィードバックされ、現在はそもそも搭載するエンジンをセレクトする時点で、実績がないものは回避する部分もある。セッティングもココ一発というものはあっても、基本的には手堅い。他社ではしばらく前から組まれている4ローターも今年初めてデモカーのエンジンルームに搭載されたくらいだ。
「ロータリー車は走ってなんぼでしょ。スグ壊れちゃうようじゃ仕方がないでしょう」
 RE雨宮では、デモカーだって車検を取って走らせる。いずれユーザーの手に渡ることも考えれば、こけおどしの仕様にはできない。

 そしてイチバンのポイントは、クルマの概要を聞き始めると、いつでもミッションのギアレシオとファイナルの話になること。ロータリーチューンのオーソリティーであり、チューニング界の大御所であるRE雨宮の代表、雨さんだからサイドポートのサイズなどのエンジンチューンや、新しいエアロの造形の話になると思いきや、大概の場合5分以内にコーナリングスピードの話になり、使っているミッションの話になり、そしてトラクションの話になる。いまでも現役のストリート・レーサーである雨さん。きちんと走ってこそ、そのクルマの魅力が分かる。だからこそ、常識の枠を超えたスワップカーを、もともとそこに存在していかのようなクオリティーで製作することができるのだろう。


>>【画像39枚】1987年「RE雨宮LOTUS EUROPE」、1988年の「RE雨宮 トゥデイ550cc」、そして1991年の「RE雨宮バーキン7」。いずれも軽量コンパクトなボディにハイパワーロータリーを押し込むという雨宮らしい手法に変わりはない



1987年「RE雨宮LOTUS EUROPE」、1988年の「RE雨宮 トゥデイ550cc」、そして1991年の「RE雨宮バーキン7」。いずれも軽量コンパクトなボディにハイパワーロータリーを押し込むという雨宮らしい手法に変わりはない。



初出:ノスタルジックスピード 2018年5月号 vol.016
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

RE雨宮 コスモ スポーツ 13B NA(全6記事)

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text : NORIO FURUKAWA/古川教夫(カチくる)photo : MOTOSUKE FUJIIISALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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