ノーマルに近いアピアランスをキープしながら、手の入っていないところはないという仕上がり|RE雨宮 コスモ スポーツ 13B NA Vol.4

スワップの肝となっているのは、SA22Cベースのエンジンマウントに載せられた13B型エンジン。スーパーインジェクション仕様のハウジングを使用している。

       
RE雨宮がそのロータリーチューンドヒストリーで初めてコスモスポーツをモディファイした! 2018年の東京オートサロンに出展されたその歴史的な1台は、実に雨さんらしい、マツダ・ロータリースポーツのパーツを流用しまくったハイブリッドマシンだった。

【RE雨宮 コスモ スポーツ 13B NA Vol.4】

【3】から続く

 インテリアにも歴代マツダ・ロータリーのエッセンスが注ぎ込まれている。

 ステアリングシャフトから続くステアリングコラムも、FD3Sのものを使用。ウインカー&ワイパーレバーもまるごと移植している。ステアリングホイールはコスモスポーツのテイストに合わせNBロードスターのものを使用。シフトノブは削りだしのワンオフで、このほかドアグリップのハンドル部分も、オリジナル加工品となっている。シートは後期ながらディスプレー用としてヘッドレストのないブリッドのシートをセレクト。東京オートサロン時はリクライニングするユーロスター2 スポルテのブラックレザーLEだったが、撮影時はバケットシートのジータ系のローバック仕様であるヒストリックスを装着していた。

 インストルメントパネルを含めて、ダッシュボードはワンオフで製作。カーボンケブラーのパネルには、右からレーステックのタコメーター、VDOのスピードメーター、オートメーターの油温、油圧、水温、燃料の各メーターが並ぶ。同じカーボンケブラーが貼られたセンターコンソールはFC3Sのものを流用し加工している。助手席後ろには黒革のボードの下にバッテリーケースをレイアウト。ドア、フロアトンネル、リアダッシュには、黒をベースに赤いステッチが入ったキルティングタイプのレザーでカバーされ、ヒストリックスポーツの雰囲気の中に、高級感をも醸し出すことに成功している。

 このように、一見するとノーマルに近いアピアランスをキープしながら、手の入っていないところはないという仕上がりが、大御所のRE雨宮らしさといえるのかもしれない。

>>【画像34枚】赤いキルティング模様がスポーティー。バッテリーが配置されるシートバックのラゲッジスペースなど




メーター類はすべてアフター品に置き換えられた。




シフトノブは雨宮ワンオフ。サイドブレーキは純正の位置。前期はFCのようにセンタートンネルの反対側にあった。




シートはブリッドのヒストリック。ヘッドレストレスのローバックタイプのバケットシートだ。




エンジンサイズの関係でキャブを避けられないためコスモスポーツのステアエリングシャフトは使えず、2ジョイントのFD用を採用した。ノーマルでは上から見てステアリングが傾いた状態だが、あわせて左右が平行になるように補正した。


RE雨宮 コスモスポーツ 13B NA(L10B)
SPECIFICATION 諸元
■ エクステリア:IPF製ヘッドランプ、ワンオフテールランプ、グラスピット・クールベール製フロントウインドーガラス
■ エンジン:オリジナル13B型サイドポート、スーパーインジェクション仕様ハウジング、RX-8用ローター/アペックスシール、パワークラフト製インテーク&エキゾーストマニホールド、ホーリー製フューエルポンプ&レギュレーター
■ 吸排気系:ウエーバーダウンドラフト48IDA、K&Nエアクリーナー
■ 冷却系:FC3S RX-7用オイルクーラー 
■ 燃料系:ホーリー製フューエルポンプ&レギュレーター
■ 駆動系:オグラクラッチ製レーシングコンセプト、SA22C RX-7用ミッション
■ 足回り:(F)ガレージスターフィールド製ダンパー (R)KYB製8段
■ ブレーキ:(F)ブレンボモノブロックキャリパー
■ タイヤ:ヨコハマ アドバンスポーツV103 195/55R16
■ ホイール:エンケイPF07 16×7J +43 
■ 内装:ワンオフダッシュ&インテリアパネル、NBロードスター用ステアリング、FD3S RX-7用ステアリングコラム、ワンオフウッド製シフトノブ、ブリッド製ヒストリックスバケットシート、VDO製スピードメーター、レーステック製タコメーター、オートメーター製油温・油圧・水温・燃料系

初出:ノスタルジックスピード 2018年5月号 vol.016
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

RE雨宮 コスモ スポーツ 13B NA(全6記事)

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【1】【2】【3】から続く

text : NORIO FURUKAWA/古川教夫(カチくる)photo : MOTOSUKE FUJIIISALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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