創設50周年のアニバーサリーイヤーを記念し、BREの新店舗を公開した2016年。とっておきのサプライズも!|1971 BRE 240Z Peter Brock Special Vol.4

ピート・ブロックさんが自らコンセプトメークした最新作の240Z。キーホルダーももちろんBREオリジナル。

       
【BREの「現在」を伝える集大成的レストモッド】
「Z-car」の存在をアメリカ中に知らしめた張本人、BRE(ブロック・レーシング・エンタープライズ)代表のピート・ブロックさんが、現代の技術とテイストを盛り込んで造り上げた240Z。酸いも甘いもかみ分けた御大だからこそ実現できた「大人のレストモッド」の詳細をリポートする。

【1971 BRE 240Z Peter Brock Special Vol.4】

【3】から続く

 現在、ラスベガスが属することで知られるネバダ州のヘンダーソンという街に店舗と工場を構えるBRE。2016年は創設50周年のアニバーサリーイヤーで、現店舗では前年に移転したばかりということもあって、ファンやなじみのカスタマーを招待するオープンハウスが9月30日に開催された。

 その週末には近くで大規模なクラシックカー・イベントも開催されるということで、ツーリングの経由地として来場した人々も多く、みんなショップでの買い物や工場見学、バーベキューに舌鼓を打ちながらのクルマ談議を楽しんでいた。

 当日は代表のピート・ブロックさんはもちろん、BREのレジェンド・ドライバーであるジョン・モートンさんもゲストとして登場。2人とも気さくに会話やサインに応じ、ダットサン・フリークたちとの親睦を深めていた。


いかにもアメリカのウエアハウスといった外観のショップ。オープンハウス当日は貴重なレース車両やデモカーなども展示された。


 そして最大のサプライズが、1965年のFIAワールド・スポーツカー・チャンピオン獲得から50周年を迎えたシェルビー・デイトナ・コブラ・クーペとのコラボレーション。総アルミボディの50周年記念車“CSX9999”がお披露目され、会場を大いに沸かせた。一般的にデイトナ・コブラはキャロル・シェルビーさんの作品とみなされているが、実は1963年に同車をデザインしたのは誰あろうピート・ブロックさんである。シェルビーさんとたもとを分かった後にBREを立ち上げたブロックさんが、デイトナ・コブラとともに50周年を祝う巡り合わせに、感慨深げな表情を浮かべる人もいた。


>>【画像39枚】BRE代表のピート・ブロックさん(左)と240Zおよび510でSCCAを制した時のドライバー、ジョン・モートンさん(右)
 など


BRE
779 Middlegate Rd Henderson NV 89011
www.bre2.net





店内にはBREの足跡を振り返るパネル展示が掲げられているほか、オリジナルのパーツ、アパレル、グッズなどの販売も行われている。




現在のBREのメインビジネスが、この「Aerovault(エアロボールト)」と呼ばれるアルミボディ・トレーラーの生産。もちろん希代の空力デザイナーであるブロックさんがデザインしたものだ。現行モデルは従来より全高を下げたバージョン2だ。




AerovaultからCSX9999が降ろされる憎い演出でお披露目。両車の美しいエアロフォルムを見るだけで、ブロック氏がいかに卓越したデザイナーであるかが分かる。



初出:ノスタルジックヒーロー 2017年4月号 vol.180
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971 BRE 240Z Peter Brock Special(全4記事)

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【1】【2】【3】から続く

photo:AKIO HIRANO/ 平野 陽 text:HIDEO KOBAYASHI/ 小林秀雄

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