「45年も前のクルマだというのに、プロポーションが衰えて見えるということがまるでない」|1971 BRE 240Z Peter Brock Special Vol.3

ピート・ブロックさん 御年80歳にして現役バリバリのチューナーであり、実業家、文筆家でもあるダットサン・レジェンド。愛妻家としても知られ、240Zに施したシルバーのカラーリングは妻であるゲイルさんの好みも反映されているとのこと。

       
【BREの「現在」を伝える集大成的レストモッド】
「Z-car」の存在をアメリカ中に知らしめた張本人、BRE(ブロック・レーシング・エンタープライズ)代表のピート・ブロックさんが、現代の技術とテイストを盛り込んで造り上げた240Z。酸いも甘いもかみ分けた御大だからこそ実現できた「大人のレストモッド」の詳細をリポートする。

【1971 BRE 240Z Peter Brock Special Vol.3】

【2】から続く

 「バーン・ファインド(郊外の納屋などで見つかる不動車)」だったベース車両から、BRE流のレストモッドとして生まれ変わった1台。

 およそ2年間の歳月をかけて、ボルト一本から内装に至るまで、あらゆる部品がリメイクされた240Zは、まるで新車かと見違えてしまうほどの美しさ。可能な限りノーマルの状態をキープしながら、エアコンやオーディオなどデイリードライブの快適さに直結するアイテムは最新のものに置き換えるという潔さは、これからも旧車を長く楽しんでいきたい人へのお手本を示してくれているようでもある。

 撮影のためにショップから5分ほどのロケーションへと自走で移動してくれたブロックさんは、愛車を眺めながらダットサン240Zについて、あらためて語ってくれた。

「45年も前のクルマだというのに、プロポーションが衰えて見えるということがまるでない。本当に美しく、たぐいまれなクルマだ。それをきっかけにいまでもこうして楽しんだり、人とのつながりを持てたりするのは、幸福以外の何物でもないね(笑)」

>>【画像39枚】エアコンはホットロッド用を多くリリースしているVintage Air製のシステムを投入。AM/FMラジオはBREと同じネバダ州ヘンダーソンにあるRetro Sound製など



SUキャブもエアクリーナーボックスも純正のままで、チューンナップのたぐいは一切行われていない。ただし、これらも美観を整えることを第一に考え、クリーンナップや塗装が施されている。





エンジンはストックのままL24型を搭載。ただし各コンポーネントは新品か新品同等にリファインされており、シリンダーヘッドはポリッシュ、ブロックは塗装が施されて、見た目の美しさもアップ。





Braille製の軽量リチウムイオンバッテリーに交換し、進化した電装系に安定して電気を供給する。


初出:ノスタルジックヒーロー 2017年4月号 vol.180
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971 BRE 240Z Peter Brock Special(全4記事)

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【1】【2】から続く

photo:AKIO HIRANO/ 平野 陽 text:HIDEO KOBAYASHI/ 小林秀雄

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