ピート・ブロック氏自らがコンセプトメークした「大人のレストモッド」240Z|1971 BRE 240Z Peter Brock Special Vol.1

SCCAを制した240Zにも装備されていたBREオリジナルフロント「Spook」スポイラー。リアスポイラー装着時の空力を最適化するためには必須アイテムとのこと。

       
【BREの「現在」を伝える集大成的レストモッド】
「Z-car」の存在をアメリカ中に知らしめた張本人、BRE(ブロック・レーシング・エンタープライズ)代表のピート・ブロックさんが、現代の技術とテイストを盛り込んで造り上げた240Z。酸いも甘いもかみ分けた御大だからこそ実現できた「大人のレストモッド」の詳細をリポートする。

【1971 BRE 240Z Peter Brock Special Vol.1】

 70年代におけるアメリカのレースシーンで絶大なる存在感を示したBRE。創設されたのは1966年で、昨年は記念すべき50周年のアニバーサリーイヤーでもあった。現在もネバダ州に5人の従業員を抱えるショップ兼ファクトリーを構え、代表のピート・ブロックさんは現役のチューナーとしてはもちろん、カーデザイナーとしての自らの半生を書籍に記すジャーナリストとしても活躍している。

 そんなブロックさんが自らコンセプトメークした最新作が、こちらの240Z。ベースは1971年式なので、まさにBREがダットサン240ZでSCCAを2連覇したときと同じ年の車両ということになる。

 エンジンおよびシャシーは基本的にストックの状態を維持している一方、要所要所には最新のパーツやエレクトロニクスを採用。ワンオフで造り直したり、BREオリジナルのエクステリアパーツでバージョンアップしたりしているので、BRE流のレストモッド(レストア&モディファイ)が施された一台といえるだろう。

 ベース車両はいわゆる「バーン・ファインド(郊外の納屋などで見つかる不動車)」だったが、奇跡的にコンディションがよく、特に再生が難しいインパネが完ぺきな状態で保存されていたところが幸運だった。

>>【画像39枚】完成された車体に装着された、VTOがリメイクしたBREオリジナルのルマンホイールなど






カラーリングには落ち着いたトーンのシルバーとホワイトを採用。





純正よりもワイドで、高さも高くなっているBREオリジナルのリアスポイラー。両端がリアフェンダーと面一になるようデザインされている。


【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年4月号 vol.180
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971 BRE 240Z Peter Brock Special(全4記事)


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photo:AKIO HIRANO/ 平野 陽 text:HIDEO KOBAYASHI/ 小林秀雄

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