アートトラック ハンドメイドの傑作車 百花繚乱のあでやかさ明恵丸(1984年11月号)

ステンレス板を駆使して作り上げられた高速旅客機、コンコルド。ロケットとはまた異なる趣だ。



「百花繚乱」の言葉がまさに芯を食うピンクでコーディネートされた明恵丸。満開の桜の木の下が似合う1台だ。

飾り出して1年目にしては、見事な出来栄えだ。

「友達にアートトラックのマニアがいて、その影響で僕も飾るようになったんだ。まだまだだけど、それまで何も飾っていなかったから快感があるネ」。

キャンターは53年式。飾りはじめたのは昨年の11月から。ショップでここまでやると、200万円はかかりそう。オーナーはその半分以下で造りあげた。


バンパーとドアパネルはウロコステンレスで製作。ナマズマーカーはスキ間なく装着。

「鉄工所に勤める友達がいて、そいつにバイトがてらにやってもらったものが結構多いので半分以下で済んでいるんだ。バンパー、サイドバンパーなども彼にやってもらったから材料費プラス2〜3万円でできたんだ」。


シートキャリアとバランスを取るように、下周りのバンパーにも青マーカーを一閃。バンパーのボトムラインがそろい、安定感も抜群。

ユニークなのはフロントバイザーの上に取り付けたコンコルド。これは友達が作ったものだとか。

「ステンレスを溶接して作ったもの、傑作だと思わない? もっと大きいものにしたいんだけど、そうすると警察がうるさそうだからこれでがまん。アンドンの文字は小泉今日子が好きだから歌の曲名を入れたんだ。でも、すぐ古くなってしまうから、いずれ新曲に変えるつもり」。


小泉今日子ファンのオーナーはアンドンに彼女の曲名を刻んだ。

昭恵丸というネーミングは恋人の名前。なんとも気の多いことで……。

外観はほぼ満点だが、内装はノーマルで、これから取りかかるとか。

「外装だけで精一杯だったから、今までやってなかったんだけど、半年ぐらいかけて内装も見事なものにしていきたい。もちろんハンドメイドでやっていくつもり。チラチラ(チンチラの間違い?)のモケットは赤で統一したいな。天井にコンソールなど取り付け、コンポも高級品にしたい」。

文:編集部 カミオン1984年11月号をもとに再構成

RECOMMENDED

RELATED