アートトラック ニュールネッサンス! 華麗なシルバーサタン(1984年10月号)

ダイナとは思えないほど車格以上の重厚感を漂わすシルバーサタンのリアビュー。


シルバーサタンのニックにちなみ、全身メッキ&鏡面仕立て。ミミに打ち出し模様を入れた平型バイザーや2本回しの手すりパイプなどこの時点でも見どころは盛りだくさんだ。

アルミボディの上からステンレスを張ったユニークさ。アオリ板もオリジナルだ。さらに、フロント部分はシルバーパールメタに塗り替えてある。

「今シートキャリアとバンパーを特注してあるのだけど、なかなかできないんです。3か月前に注文して、やっと型ができたところ。もちろんオリジナル。あと2〜3か月はかかるのじゃないかな」。

オーナーがアートトラックに凝りだして3年目。このダイナは2台目になる。傑作車を目指しているだけに凝りに凝っている。


リアアオリは高くそびえる観音扉へと変更し、見た目の堅牢性を大幅に向上させた。

「ベースは56年型で中古で75万円しました。それに、飾りはじめたわけですが、いままであるアートトラックとひと味違ったものを作りたかったもんですから、いろいろアイデアを盛り込んであるんです」。

ボディ、そして荷台にこれほどお金をかけるとなると、最終的には大変な出費。

「ここまで350万円かかっている。バンパー、キャリアができあがるとトータルで500万円位いくんじゃないのかな」。

どんなバンパー、シートキャリアになるか楽しみ。そのとき、もう一度バッチリ撮影したいもの。

リアバンパーにしても、曲線を取り入れ、どこにでもあるといった代物ではない。


曲面構成のテール周りは今見ても斬新!

「みんな僕が考えたんだ。夜になると定規で線を引いて、ああだこうだとオリジナルなものを目指して図面を描いたんだ。いまのところ、ほぼ満足のいくものになっている。下回りはアストロフレークにパールラメ、サイドバンパーの赤のラインには明かりがつきますよ。内装は地味なモケットを張ったんだけど、もうひと工夫しようと思ってる」。


スキなく金華山生地が張られた室内。菱形抜きした助手席のウインドーも注目点。



オーナーはデコチャリ少年たちのあこがれの存在。同じポーズで写真を撮るのが流行ったとも。

——今なお同じ車体で進化を続けるシルバーサタンは、この業界では知らぬ者はいない有名車。現在の姿はカミオン2023年2月号で掲載しているので、まだ見ていない人は40年の時間が育んだ豊潤な佇まいを堪能してほしい。

文:編集部 カミオン1984年10月号をもとに再構成

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