高くそびえるシートキャリアとメインアンドンがプライドの証 愛染丸(1984年10月号)

「愛染のお姉さんに命をあずけます、アートトラックは男の花舞台さ」。当時の誌面に踊る大見出しが印象的な1台。


上から下まで当時のトレンドであるウロコステンレスでパーツが製作されているが、どこで作られたかが書かれていないのが非常に残念だ。

「愛染恭子の舞台は2、3度しか観たことない。聖子や明菜のファンのように熱中はしませんが、なんというか生き方がいいネ。オレたち、警察とはなかなかウマがあわんでしょう。当たり前だけど。その点は彼女も同じ。逮捕され“出所”してからの彼女の警察批判、あれカッコよかった。それから愛染丸にすることに決めたんだ」。

できることなら警察とは仲良くしたいもの。かといって媚びを売る必要はさらさらない。ツッパル姿勢はなかなかいい。

「運転はいつもおとなしいもんです。アートトラックのドライバーはみんなそうだね。なにしろトラックがオレたちの花舞台だから、みっともない運転はできないよ」。

このレンジャーを購入して3年目。アンドン10個、マーカーランプ200個、テールランプは14個取り付けてある。夜はもちろんランプを全部灯す。


アンドンはピンクで統一。「すこし愛してながく愛して」は、サントリーREDのCM(大原麗子出演)からの引用と思われる。

「主に木材を運んでいるんだけど、夜走ることが多いから、いつもギンギンに点けて走ることにしている。そのためダイナモ、バッテリーは大型に交換してあるんだ」。

トータルで100個。あとは内装のより充実だ。


4組の3連テールのほか、バンパーコーナー両側に丸テールを配置したのが独創的。文中に出てきたナイトシーンもぜひ見てみたいところだ。

——アートトラックのニックネームは、そのものを端的に小気味良くズバリと表現するキャッチコピーだ。ニックのモチーフとした女優の周りを気にしない真っ直ぐな生き様を体現したかのような独創性は今見てもスカッと清々しい。

文:編集部 カミオン1984年11月号をもとに再構成

RECOMMENDED