「こりゃ今まで以上に大切にしないとな」新品並のセダンを引き継いだオーナーの思いとは|1988年式 トヨタ マークⅡ セダン グランデ【3】

マークⅡセダン、そのグランデのロゴマーク

【2】から続く

ハードトップとセダンの違うところは、エンジンと内装である。ハードトップは2L直列6気筒のみのツインターボが付いている走行重視に対し、セダンはツインターボは付いていないものの、エンジンの種類が豊富で、かつ内装はハードトップよりも広いため、快適性重視であった。

【我が名はGX71 トヨタ マークⅡ セダン グランデ vol.3】

 その反面、実用車としてのキャラクターが強く趣味的人気が薄かっただけに、現存するセダンの個体はハードトップよりも格段に少ない。ハチマル車が集まるイベントでも、71系マークⅡはハードトップばかりで、セダンを見かけるのはまれ。

 しかし、あるところにはあるもので、希少なフルノーマルの後期セダンを発見。この個体を所有するのはオーナーで、13年前に友人が「手放す」というので譲り受けたそうだ。だが、71マークⅡに特別な思い入れがあったわけではなく、走行距離がたったの1.9万㎞で、友人がとても大切にしていたため、その思いを引き継ぐ気持ちで受け取ったそうだ。

 実際、取材時にも「そんなに珍しいのかね。71マークⅡなんてたくさん走ってたのにな」とオーナー。しかし、譲り受けたときの気持ちは褪せることなく、「こりゃ今まで以上に大切にしないとな」と語った。

【画像17枚】ファブリックシートやセンターコンソールなどの内装も一切傷がついていない新品同様のセダングランデ。ツインカム24も同じデザインとなるグランデの純正オプションのアルミホイール




>>エンジのシート&内装色にソファのようなボタン付きのファブリックシート。まさに80年代を象徴する仕立てだ。



>>前席も含めて、擦り切れや汚れは一切なくシートのコンディションも抜群にいい。一部が剥がれてしまっているが、ドアトリムには新車時のビニールが残っている。


OWNER’S VOICE

走行わずか30000km台の奇跡のコンディション

 オーナーがこの個体を入手したのは13年前の18年前の2004年。
「友人が『乗らないから』というので譲ってもらったんです。フルノーマルで当時はたったの19000kmしか走っていなかった(取材当時は37000km)。しかも新車時のタイヤを履いていたんですよ」

 とオーナー。前オーナーがそうしていたように、オーナーもクルマを濡らさないように雨の日には乗らず、シャッター付きガレージ(倉庫)に保管しているそうだ。
「こんなクルマはないから、これからも大事にします」と語った。




マークⅡ セダン グランデ (GX71)主要諸元

全長×全幅×全高(mm) 4650×1690×1415
ホイールベース(mm) 2660
トレッド前/後(mm) 1425/1440
車両重量(kg) 1280
エンジン型式 1G-EU型
エンジン種類 直列6気筒SOHC
総排気量(cc) 1988
ボア×ストローク(mm) 75.0×75.0
圧縮比 9.2:1
最高出力(ps/rpm) 130/5400
最大トルク(kg-m/rpm) 17.5/4400
変速比 1速2.450/2速1.450/3速1.000/4速0.688/後退2.222
最終減速比 4.100
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 185/70SR14(前後とも)
発売当時価格 224.0万円


【1】【2】から続く

初出:ハチマルヒーロー 2017年3月号 Vol.40
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1988年式 トヨタマークⅡ セダン グランデ(全3記事)

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photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ) /text:Rino Creative/リノクリエイティブ

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